梨味の缶チューハイをコンビニで買った人から抜け出せる 夏
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唐突に恥ずかしくなる歌心うたごころ 人間性がバレバレじゃないか
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淋しさも虚しさもまた置き去りに酷暑の夏は去っていくのね
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まだ青い 狗尾草エノコログサが ゆらゆらと 秋は遠いか 熱残る風
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最新の プールに期待 水着ギャル 露出皆無で サングラス意味なし
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この駅のいつも乗る場所向かう足その一歩から旅が始まる
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月が紅くて 視界も紅くてね 冷たいんだ 視界が紅く 紅く黒に染った
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稀にでも自分のことが好きなのと胸を張れる日できれば毎日
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お盆には 毎日夢で 話したね こんな奇跡が 十年続き
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誕生日 一足早い プレゼント 送りし友は 今もせっかち
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綺麗な字 書けるのならば この想い 万年筆で 手紙にしたい
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黄昏や 遠ざかる蝉のと夏 猛暑打ち消す涼風の帰路
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目と目と目耳耳耳と口口口伴い迫る体体が
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コーヒーで新聞ひらくユズヒコと 野菜ジュースで『ZIP!』見る俺
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奥底の 果実が吸えぬ どうしても 氷は阻む 応戦虚しく
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うるさいな 何と比べて凡と言うわけ?いいから今すぐ体動かせよ
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あと何日あと何日と待ち続け会えなくなる日に私はどうなる
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百首とは日常の中の矢じりなり放ちし言葉なお空を舞う / 百首通過。ありがとうございます
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なにひとつままならぬ日に猫がいてなんとなくただ報われている
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炎天の 道にしずけさ 積もりゆき うつろの中に 光だけあり
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ぴりぴりと唇の荒れ舐めとりて乾いた風吹く冬の訪れ
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仕事先返事の早さはいいけれどもうパソコンは閉まっちまったよ
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短歌見てそのままラジオ体操を頭と身体さわやかな朝
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感情の糸 手繰るその先 心の螺旋回廊 
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乗り合いの 同じ時代の 列車にて それぞれの駅 途中下車する
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ちょんちょんと若い緑が跳ねるのを踏まないようにゆっくり歩く
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米と聞き死語が立ち来る早苗饗さなぶりに刈り上げ餅と土洗い祝
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朝早く馬耕に代掻き日暮れまで馬の尻追う来る日もくる日も 
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米と言えば七十年前が蘇る泥にまみれし米づくりの日々
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片恋は 真白に燃える あの夏に 見上げた雲に 重なるように/r
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