何時間 かけて仕込んだ 手料理は 食べて一瞬 作り手あわれ
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好きだとか嫌いがなんだ 冷めるまでラーメン待たせた経験ないよ
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新しい空気がさぁっと駆けて行く 船出にそっと寄り添うように
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草原の 青を覆ひし 白銀に 玉投げる児の 手の赤きかな
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回収が終わった後にゴミがある時間守らん奴が許せん/ゴミカゴ当番
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新しい部誌 いつか記される 余白の日々と 君が欲しいと知った午後
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ロボットでないことを証明しよう ストーブを消し窓を開けます
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他人事ともう思えない、欄干のもとに落ちる花束はきいろ
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落ち着いて ぎゅっと自分を抱きしめて 大丈夫ひとりで生きていける
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寝たいけど泪止まらず奥二重一首詠めたら夢の中へと
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バレンタインに何もらえるか考える暇はいらないもうインシュリン
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ちょっとだけ 人助けした 帰り道 家に帰ると 福の香のする
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夕茜冬木立染め雲染めて彩り変えつゆっくり沈む
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棺桶に花敷き詰めて春のよな人だったから私の祖母は
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憂きことはあれど仕舞いてデイケアで体動かし心弾ませ
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助けても もう疲れたも 何一つ 拾ってくれない 美しい世界
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風吹けば桶屋儲かることわりか選挙の報で仕事立て込む
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末娘より「無事退院!」の電話あり唯「おめでとう」とくりかへしをり
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帰省せし長女と妻のならびたつ台所より夕餉の香(か)流る
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苦しんで這いつくばって嗚咽して曇ってそれでも立ち上がってね
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リビングで刻々動く陽だまりを追うて過ごせり 向日葵のごと
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あの店もすっかり名前が知れ渡り恋人たちの語る場所無く
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初雪は見逃したかもしれないが 心願成就は 叶うのだろか/ハガキは来ました!
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髪型を 変えたカフェの 店長を 気づかずスルー 乙女いじけて
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親よりも 頑張る事が 子の努め 二代目継いだ 君の格言
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雪道で三倍かかった通勤も口角あげて無事故無遅刻
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ありがとう 伝えたろうか あの時は いま伝えてるよ ありがとう
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かえりみる父の霞は風に散り いま確かめし あしたの標
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あまりにも自分の理想すぎる君。私のそばでずっと笑って。
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荒海の君に捧げる澪標みをつくし。頼る島へか、帰る港へ。
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