手間かかることは みぃんな丸投げで いっそ放り出し まずは眠れよ>自分へ
21
帰り道列車の友はアルバイトしてた鼓月の抹茶のアイス/京都より
16
夏蝶が青いスカートひるがえしステージになる職場のデスク/葉月廿日
21
振舞えば 机上の歌も動き出す 私の代わりに笑顔をくべて
10
いつもなら気にも留めないこの時間 お風呂かなにかと既読か確認
10
夕餉時ちかづきてくるいかづちに味覚奪われ箸は進まず
27
今は亡き 十年前に 書き留めた 友の手紙を 涙で読んで
19
年賀状刷るから要ると強弁で買替をする実家のパソコン
7
タブレットスマホがあれば無用かと思うんだよな実家のパソコン
11
呼んでいるお盆休暇の第二幕 勤怠理由に流れ星捕獲
11
友以上 無理だ諦め 促され メールを断つか 悩み数日
20
散歩道イヤホンで聴く楽曲の曲間ノイズ蝉の鳴き声
14
すやすやと眠る顔みて一安心あの子の人生千秋楽
7
半年が 過ぎし再び そろい踏み 三人笑顔 夏の広場で
20
18時半ろくじはん段々日暮が近くなるツクツクボーシと挽歌を歌う
40
耳の奥底に雷鳴響いたら命を守る毛布を持って
6
ガラス瓶一輪挿しに返り咲く猫住む窓を不等価交換
6
悪夢こそ希望めいててバカみたい まだやれんのかエンジョイ地獄
9
辞めろ辞めないの不毛議論 不快指数はとっくに100パーセント超え
6
傾国けいこくの、では足りぬ君が現れて地軸かたむき季節がめぐる
9
あじしめて北海道にもやってくる どんな屁理屈平気でこねて
16
大使館「狸穴まみあな」こそが相応しき 裏切りの国不潔なる国
13
「宝石は光の住処すみか」と笑うきみ、光のきもちが僕にもわかる
8
晩年に神が与えたこの光 苦行か罰かご褒美か
10
玉ねぎを炒める時は鼻水と涙は我慢しなくてもいい
9
ココアの本君に勧めたその訳はあのラブレターは私の心
6
棚の奥3年前の処方箋見つけてかつての苦しみ想う
14
帰り道 おしろい花は夕化粧 誰を待つのか 虫の声する
17
ゴルゴさえM16では斃せまい あの憎々しきバーコード頭を
15
私と彼の間にあるのは距離なんかぢゃない もっと素晴らしい何かなのです
5