世田谷でどうやったって孤独感ワンルーム床にワイングラス
7
学童に 座席を譲る 高齢者 逆も成り立つ 世はいつの日に
12
星明かり ガラスの花の 咲く森の 遠きチェロの音 君を思ひぬ
31
君は今幸せですかもしかしてそれは私を含んでますか
12
昼休み 働き始めて 一ヶ月 たくあん三切れ 空のどんぶり
5
すれ違ふ車両の窓越しに映る我が推しぬいの絶やさぬ笑顔/ぬいぐるみ
22
切りすぎし前髪おさえてはにかんだ幼き君よ 泣けてくるほど
31
来た球を 打ちに行くのが 若さだと 俺は思って 今日も打席に
4
なりたいの 貴方にとっての 特別に たくさんのうちの わたしは一人
6
戸建てなど 戦後日本の まやかしで 顕わにしたる 空き家問題
14
「連れてって」言えたら聞かぬ『時期ですか?』紫陽花寺の花の盛りに
26
ゆずりあい そういうことを いうひとが ゆずったとこを みたことがない
10
夕暮れはもう滲まないハルジオン 迎えにきたと君が咲くから
15
この季節最後ですよの苺買う1パック350円
23
君を待つ闇のうつろに忍び寄りほのかに響く青葉木菟づくの初声
7
アルペジオ爪弾く指に見惚れてた それだけでもう恋をしていた
11
オルレアの白い花々揺れる庭音無く注ぐ五月の光
13
風に乗り 聴こえるピアノ弾む音 同じ旋律リピート可愛い
16
怠慢で枯らした鉢に野の草も生えたらいいと水注ぎ入れ
24
歌舞伎町 路地に残る香スーパーノヴァ けれども朝は等しく澄んで
4
玄関に 脱ぎっぱなしの キミの靴 徐々に大きく なる心配
3
忙しいは 会えない理由 じゃなくて 会いたくないの 遠い言い方
5
雨ふくむ 光あふるる 藍の珠 娘と植えた 庭の紫陽花
22
おい君等死んじゃいないか水遣りを怠り果てて夏日に注ぐ/観葉植物
17
ドブ川が 埋め立てられて 高速に この近くには 出入口はない
5
カタログのモデルが着てたあの服を自分が着ても同じにならじで
15
駄菓子屋の飛行機かかえ空き地まで 「せーの」の声に子ら風を読む
23
草の香と 蚊取り線香の薫りの流るる風と 草を刈る音
25
桑消えてホップが消えて今度またさくらんぼ消え野が返り咲く/変遷
15
話さずに 見える背中で 十分で 胸の音だけ うるさい午後
3