A型の血が出る僕はB型のあなたの中で溶け混ざれない
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親がよく 食らふつまみが 口に合わず そりゃアイツとは 解り合えぬわけだ、と
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空高く遠いものほど鮮やかで眼鏡外して消せぬ過去見る
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さようならと口に出して言わなくなった大人はみんな怖がりだから
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「かどを右」答えた後に東京の胃の中にいると気づかされたのさ
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汗ばみを背中で感じる7時半「ベーリング行き」のオレンジが流れる
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「君を想う」の「君」を求めて疲れ気味。君を想いたい僕でさまよう。
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風力の白の巨大なプロペラは誰より早く季節にさわる
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公園を 静かに舞いし アキアカネ 隣のプール 夏の景色も
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あの人を盲目的に好きすぎて? なんだか腹から切ないなぁ
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俺がゲロを吐きながら愛犬の世話をしている横で他人事のやうに爪を切っている名義上の飼い主 /自由律
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質量の ある布がそっと 揺れている 私の輪郭 なぞる秋風。
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冷凍の鮭の切り身と鯖缶の他の魚が買えぬ此の頃
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なぜなんだ! 体のどこから漏れるんだ! 血を止めなければ死んでしまうぞ!
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それぞれに宇宙があって 君の見る星が綺麗というのは分かる
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冬に来たエメラルドポトスつる伸びて長さはまるでラプンツェル並み
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孫動画写る息子の優しい顔ちゃんと父親やってるんだな
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川底に沈むラムネの瓶の様 始まり終わる四季の移ろい
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いつ止むや 知れぬ雨足 軒先に 逃れ逃した 煙とサヨナラ
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ヒーローだ!華麗カレーな登場 食卓デビュー「彼の名前はマッサマン!」
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夏休み 宿題終わらす 前半に あれ?でも今は 徹夜確定
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夏服を探して縦にスクロール 晩夏の暦に書いた赤マル
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オクラ食い これで粘りが増したねと 根性だけでける気がする
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四十手前の昼下り窓の向こうに帰れぬ古里朝日樓
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働ける!ヘモグロビンが7.0? 医師には輸血勧められたけど
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見えるのに つかめないなんて ひどいわね 雲ヶ丘に住む あなたのことよ
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故郷の最高気温を確かめて仕事を始める朝のひととき
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夕暮れのベランダ止まる磯鵯ひよどりよ その歌声で秋呼び寄せよ
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泣きながら顔をうずめた母の胸 毛布のような柔らかなぬく
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終夜ワルツを絶えず舞う 渦を巻く ゴッホが見上げた月夜に会うため
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