めいわくをかけてもいいという人に 肩ちからぬけ安堵のためいき
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崩れゆく ゲシュタルトだと 知りながら あなたの下宿 極まれしゲス
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幸せが 間近にあった 短くも あなた冷徹 麒麟氷結
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火照る耳 新歓コンパの 帰りみち ホテルに寄ると 掴まれた夜
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散りかかる落ち葉が破った巣をなおす 大忙しの年の瀬の蜘蛛
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今年とて 第九を唄う 心では 小さな終焉doomを 迎えてはいる
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なんとまぁ 天文学的 稼ぎとは 大谷の十年 僕の三万年
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ビニールの小さなハウスになるキュウリ 店の高値にニンマリとする
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ガラスには初霧氷咲き内外の気温差およそ三十度ほど
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何もかも捨てられたなら楽だろう金も名誉も欲も命も
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貧しさに「お金の工場休みなの?」爺は国家予算を教えた
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母は今年 入院・手術を乗り越えて 杖デビューもし リハビリ励み
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ベタですが 今年の漢字は「母」かなあ 母の娘で ねこたちの母
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料理とは科学であって愛である失敗もあり喜びもある
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玄米でパンを作って食べました四年生なら自慢気に言う
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冬好みし命日の兄今ごろは新雪山にシュプール残す
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吐きそうで 忘れるために 金遣い 当たらぬ台を ボンヤリみてる/種
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卯の歳に 話してみたいと 思いつつ きっかけ掴めず 辰に喰われる
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逢いたくて 会えばいらない「存在」に 価値などなくて。 気持ち、悪いよ/嘔吐
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日付線 越える瞬間 息止めて もう少しだけ 昨日を生きる
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できないと 思っていれば よきものを 出来ると思い 一生捧ぐ
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愚か者 持てないものを 欲しがりて 持ってるものを 台無しにする
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賢きは 己の分を 弁えて 感謝のうちに 一生過ごせ
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目の前の ことばかり見て 進むうち 迷路に入りて 堂々巡り
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一日が 一月となり 一年が 一生となる 日捲りページ
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人生は 日捲りのよう 一日が 過ぎ去る度に 残り少なく
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浮かれれば 貴重な時も 屑となり 知恵も学ばず 滅びゆくのみ
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動画とか 画像の保存を 教えたり 送り合ったり 遠くの父と
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爆走し 疲れ切っても その先に 完全なんて 絶対ないのに
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登り道 一歩ずつでも 堪え忍び 転がり落ちる 時は素早く
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