夏期休暇 どこへ消えたと 嘆くのは 己のことより 輝く日輪
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アンタレス見ゆるベランダ 夕餉後ゆうげあと 涼風の指揮 鈴虫の歌
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地獄が天国になることもある教えてくれたお涼さんやよ
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急にゴロ電車の中で真っ青に 空いててよかった駅のトイレが
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ズルズルと わかっちゃいるけど やめられない 見かねた雷神。 怒号と閃光
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ふわふわの優しい雲を見上げれば神様ってホントにいるんだな
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窓際に転がり息も絶えた頃十年振りの友より電話
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吟ずべき 想いも強く 筆黒く こちなき我の 文は清けり
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山道を 木陰に沿って 目指す滝 川面に飛びし 鮎が応援
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叶うなら 貴女の本音 聞きたいよ 諦めるため きっかけ欲しい
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バス待つ間 風よく通る木陰にて見知らぬ人と雲の峰見る
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長靴をはいた猫VS長靴の上空を飛んだあかいろの豚
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堂々と 自信ありげに 先生を じっと見てれば 指してはこない
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受付にパンダを握る小さな手 百日紅咲くガンセンの夏
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菜園の 野菜作りは奥深く 失敗続くは人生も然り 
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君が好き来世へ託す恋心儚く消えるわたしは人魚
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木・金(木星・金星)と 月が寄り添う 朝の四時 オリオンも見へ うつろふ季節
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真夜中の閃き 形を結ぶかな 最善は尽くした 結果待つのみ
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突然の雷雨にバタバタ窓を閉めエアコン・オンの言い訳にする
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艶やかな 黒い長髪ながびかす 隠れるきみと ペンギンの群れ
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今はただ心の底で蠱毒を作るのあなたを呪う夜まで
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懸命に 新たな話題 振り続け 返信を待つ 休日の午後
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一夜明け 言い方一つ 昨日今日 次の日のこと ニュアンス変わる
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寂しい苦しい楽しい日々色々 頭使わず歌詠む夜
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在庫無しワンサイズ下げ血が滲むスタッズ光るサンダルで夏
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泡沫と流れ溢るるラムネ瓶香る誰かの人生のスミ
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星屑が夜空を裂いて大気圏の淵と頬ずりして焼き付いた
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寝室の羽根回る音最速で湿度高まる雨の部屋干し
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吸い取れど掃いて取っても際もなく床降り積もる猫様のお毛
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豪雨来る予報外れぬ昨今に君の住まいの低さ気になる
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