同じかな 私の中にある「I」とアイツの中にある「アイ」の意味
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あと何回この子をギュッとできるだろう。少し反抗気味の子の背を
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明星の切り抜き名札にひそませて登校していたあれも推し活?
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今日よりは木の葉隠れはなき月を時雨の雲の絶え間にぞ見る
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私の呼んだタクシーで寝るあなた 前だけ向いてる夕焼け小焼け
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編みぐるみをひたすらに解く思い出はもうすぐ一次元へと還る
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ひとすじのほつれが生んだ伝線は吸い付くように腿へとのぼる
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霞よりか細い糸でむすばれてわたしの喉は宙へと還る
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そこにいる 三尺四方さんじゃくしほうの 立方体 厄介なのは 透明だから
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「ありがとう」 たった五文字の幸せ語 戦地にあるか? 私にあるか?
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早朝の瞑想のとき銀色の 時間の波で心を洗う
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もしもだよタイムリープができたなら 子供の我に伝言のあり
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瞬きの星の青さのありどころ永遠ほどの遠さを超えて
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久しぶりに買った歌集は俵万智、いつかはライバル⁉︎うたかたUtakataの夢
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氷雨のなか急ぎて屋根張る大工らの釘打つ音こそ気ぜわしかりけれ
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不自由は依存するから生まれたのわたしがやる事勝手でござる
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真夜中の群青色の空が好き明日の色を計らせない色
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オフ会のキャリーの上の子犬たち最先端のスーパーアイドル
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言うならさ。シラフのときに言えよ、バカ。意気地ないのね、それでも好きよ。
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爆音で浴びたライブが、耳の奥離れず無音消し去り響く
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いつの日か弱さを忘れられたなら 二人で海でも見に行こうか
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おわりゆく時のすきまをさまよって こぼれる砂を掬うふりをする
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はじめてよ、ママのLINEを無視したの。 あなたのためよ。ねぇ、好きよ。
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紅葉に思いを馳せる便り見て まだ手が届く過ぎ去りし秋
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かろうじて飲める一杯いただくと喜ばれちゃうお得ポジション
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よわい経て何を得たのか私にも同じ速度の時間があった
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身体の雇われ管理人として意識がカップめんを食ってる
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八つ裂きにすると八つに増えてしまう命のほうが多数派だった
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たぶんもう蜘蛛あなたの罠にはまったのせめて優しく私をんで
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日本中迎える朝は平等で格差社会ひととき掻き消す
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