祝福よりも貴方といたい、なんて聞こえるその言葉 信じるよ
4
裸眼では ぼんやり見える 風呂場では 目が悪いのも ちょうどよきかな/べーしずむ様
14
母ちゃんは今日誕生日九十四食事の量が少しずつ減り
21
星月夜の見せる魔法か 亡き祖母に会う ひと晩の夢見の余韻
18
曇りなく はっきり見えるの いかがなものか 風呂場の鏡に くたびれたひと
15
特段に 予定はないが このままじゃ 家事だけ増える 休日となり
16
足の甲 温もり感じ 目をやれば 猫が枕に 我も暖とる
18
当たり前の顔して街のあちこちに誰かの植えたツツジ咲きをり
14
下の子が生まれた夜をふとおもふ隣りの吾子の寝息をきけば
13
眠れない子はさびしさの歌つくる帰りたいとは歌わなかつた
8
マット敷き車内にひびくゲーム音暮れゆく空ときみを見てゐる
9
「絶対に帰りたいとは言わない」と云われて開ける温い缶ビール
10
宿泊費無料だからと道の駅他県ナンバー挟まれてをり
10
ああ神よ、仏の道よ精霊よ 救いになるならなんだって良い /「宗教」
9
妻胃痛下の子不調リタイアで上の子とゆく近場の旅へ
10
玄関を 開ければそこは ピンク色 忘れていたよ やわいということ / やっと開花🌸
25
いただいた備蓄米を炊いてみた ちょっと微妙か がびがびとして
9
とぼとぼと翁が渡る青信号 点滅始めた 間に合うのかよ?
12
別れても香をだに残せ恋人よ恋しいときの思い出にせむ
6
豆ごはん 匂いが嫌いと言うひとは 初夏のパーツが嵌まらないひと
11
豆ごはん この時季ときだけのお楽しみ カエルのエルタのドレミを憶ふ
12
リハジムで四股踏む爺は闘志湧く鳥獣戯画の蛙のごとし
23
濡れ落ち葉 めくりてサワガニ見つけたり 滝まで五分葉もれの坂道
32
砂山が 崩れてもまた 積み上げる 生きてゆくのも 案外似てる
27
娘らのオランダ土産の球根から得も言はれぬ色のチューリップ咲けり
8
新緑の 皐月の空に鯉のぼり 風を孕みて孫を迎えをリ 
21
何もかも上手くいかないそんな時 「世界が僕を嫌っている日」 /「言い訳」
11
洗脳にならないように浸食を法定速度でする かわいいよ
7
ショッピングセンターで呼ぶ迷子らの色とりどりの親の髪色
9
一切の命を看取る太陽は死ぬの誰にも見られないまま
10