明石羽マバウ
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北海道に仕事に行きます
宜しくお願いします

いつの日か この痛みさえも 薄れるか 父の遺影に そっと手を触れ
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幼き日 怖れし父の 大きな手 今は冷たき 土の下なる
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許すまじ そう誓いし日も 今は昔 ただ淋しさだけ 胸に残れり
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面影は 時と共ににじみ ゆくけれど 心の奥に 怒声は響く
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仏壇に 並ぶ写真に 問いかける 二人の声は どこへ消えしか
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追うように 逝きし祖母の匂い 残る部屋 父との記憶 薄れゆくかな
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病魔にて 痩せ衰えし 父の顔 遺影に残るは 元気な頃か
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あの日々を 悔いるは遅しと 知りながら 語りきこと 今は亡き父
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憎みしか 愛しか分かたず 父の死は 静かに我を 置き去りにせり
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怒鳴りし日 過ぎしと思えど 遺影には 穏やかすぎる 父の顔あり
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明日もまた 同じ場所で 繰り返す 日々の営みよ ありがとう
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家に着き 泥だらけの服 洗濯機 回せば今日の 疲れも流るる
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帰り道 ヘルメット脱ぎ 星空を 見上げれば明日も また頑張ろう
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夕焼けが 工場を染める 赤々と 一日の終わり 告げる静寂
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轟音に 耳を澄ませば わずかなる 異変を感じる 職人の技
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午後の部 眠気覚ましの コーヒーを 飲み干し気合を 再び込めて
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昼休み 束の間の安らぎ 弁当を 広げれば笑みこぼれる仲間と
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汗を拭い 機械と向き合う ひたすらに 時間よ止まれ 残業の果て
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コンベアを 流れる部品に 目を凝らし ミスは許されぬ 緊張の時
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始業ベル 響けば始まる 戦いの 埃と油の 匂いのなかで
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かまぼこの 板に描かれた 絵模様は 幼き日の夢 今蘇る
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筆置けば 広がる世界 かまぼこ板 小さな海に 夢を託して
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色重ね 形を与え 生み出すは 小さな宇宙 かまぼこ板に
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かまぼこ板 絵筆走らせ 想い込め 世界に一つだけの 宝物なり
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乾くのを 待ちながら見る 絵模様 思い出映す 懐かしき日々
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筆運び 心のままに 色を置けば かまぼこ板が キャンバスになる
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絵の具箱 開けば広がる 色の世界 かまぼこ板に 何を描こうか
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木目の香 筆に託して 色重ね 小さな海に 夢を浮かべる
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かまぼこの 余白に描く 夢模様 子供の頃の 宝物かな
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白板に 絵筆走らせ 海の色 記憶を辿る 夏の浜辺を
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