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トンネルの真ん中時空ズレる夜 ハンドル切って翔び出す天空
13
釣れたれど川瀬へ返す数多き土産の岩魚 食べる分だけ
29
身を屈め忍ぶ歩みの長淵の底へ岩魚の影数多在り
30
左崖 斜面に落ちる小石あり 素早く去りて渓の風吸ふ
21
朝陽差す光りさざめく深渕へ我が竿影を隠し歩みて
23
気温差の春を迎えて渓影へ微笑み灯す山桜かな
21
明け方の冷たき沢に竿振れる都忘れの花なり我は
19
朝霧の一投目にて竿しなり滝の飛沫も聞こえぬ我は
25
朝の瀬の冷たき虫と手の熱を渓の岩魚へ合わす釣りかな
16
炭で焼き枯れた岩魚に熱燗を注ぐ骨酒の沁みる渓の夜
19
ライラック咲き初む夏日シグナルはこのまま赤であってもいいが
25
荷を背負い滝へ飛び込み揉みくちゃを繰り返す沢天国近き
14
ヤマブキを一枝手折り持ち帰りははを偲べば夢に来るらん
34
人のこと あーだこーだと 言ってても 自分のことに なるとわからん
7
ついに今日冷房つける夜となり梅雨の前から夏は本気だ
12
おそろしさ 恐怖、不安と無力さを 全て抱えて 私は やるだけ/最終面接
9
スケート場 跡地に繁る 夏草は 氷の日々を 覆いて高し(白久にて)
11
主のなき部屋にたたよふ在りし日の家族の影のとほくこだます
12
そら豆のそら豆色は初夏の色誰も文句は言えないでしょう
6
笑うのはいつの日にした約束か 便箋はもう売り切れていたよ
6
もういない『人っぽい猫』君からはどんな私に見えてただろう
34
海望む道を小走る夏の風 記憶仄かに大滝メロディ
8
この膝がやりたいことを受け止めてくれると信じ今日も
体操
(
リハビリ
)
30
枝渡る声は聞こえて
群猿
(
むらざる
)
の影奥深く茂る夏山
11
物憂さを纏ったスーツを身に付けて駅までの坂を黙ってのぼる
11
上葉
(
うはば
)
漏る月の
雫
(
しづく
)
に驚きて枝飛び移る蝉の一声
12
芳醇な香に導かれ庭隅の竹柵に咲く白藤をみつく
7
打合せ 終えて夜風 浴びながら 貴女の笑顔 想う週末
27
あらし過ぎ
瘡蓋
(
かさぶた
)
剥がし また重ね なに食わぬ顔 凪を疑ひ
19
あの人に聞こえない距離分かってる それでも夢で会えますようにと
12
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