一瞬にざわざわの波のみ込まれ 手足冷たく猫に救わる
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「ふてほど」の連続放送中学だったあの頃の自分思い出す
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古守り 洗礼受けたる 我が身には 不要なるもの 晦日も返し行く
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コーヒーを生まれて初めてブラックで‥ 飲む勇気なく牛乳いれる
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丁寧に潰されてなお主張する苺の芯のような思春期
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十八になったらしたい夢がある 投票行って外食するの
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もう一生叶わない恋だけをして まだ追いつけないキャロットケーキ
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近頃は非常にだとか大変は使わなくなりめちゃかめっちゃに
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来世では一〇年はやく生まれるよ だからわたしと先に出逢って!
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歳末に 古守り返す 大師前 初詣備える 露天屋見つつ
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テレビ見て 笑っていたのも 過去の話 フジも松も 同じなかとは
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木枯らしを 結んだような おにぎりと とん汁ひとつ ひとりも幸せ
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ねこたちに つきまとわれつつ 小掃除を終えて お昼は一本満足バーチョコレートバー(ぐったり)
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処置終えて帰宅の深夜 レンチンの焼きそば食みて安堵の夕餉
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近隣の夜間救急全滅も 夫を救うはいつもの病院 /感謝感謝
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もうとうに 期限が切れた老人は 朝昼晩に期限切れ喰う
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こちら側のどこからでも切れんから俺は嫌いだお前のことが
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痛いのは 生きてる証と教えられ そう思えどもやっぱり痛い
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仏壇を掃除したから気がすんで これにて掃除一件落着
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ゲームする時間を餌に宿題を やらせるイヤな親になりけり
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死を知らぬ猫はどこまでだって行く寂しくなってもどこまでも行く
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ひび割れた静寂だけが満ちているこの街の名を故郷と呼ぶ
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好きだから花の名前を覚えてる君が好きな花忘れてしまった
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魚屋の老夫婦妻せき込んで「大丈夫」声かける夫
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昇りくる朝日をはじく軽トラと佇む父とたばこの煙
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駆けまわるこいぬの姿ふいに消えしっぽ飛び出す大根の穴
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コンビニスイーツスノードーム 期限切れの豆腐も眺めていたよ
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まどろみのみぎわで不意に風が吹く ごめんね猫ちゃん灯りを消せない 
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84円高い!年賀状来たものに、仕舞(閉)いへんしん(返信)、あ〜スッキリかな
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正月に誰が来るではないけれど御節の手作り老いの脳ートレ
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