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「美味しいね」 画面の向こうで 笑う君 あの日の僕に 微笑んでるの?
6
静寂
(
せいじゃく
)
の
水面
(
みなも
)
で割れた 氷さえ 花開かせる
糧
(
かて
)
となりけり
7
首を取り 宝石を得た 武将さえ 先を思えば 盛者必衰
7
石なくし 肩を落とした 君の船 ご覧、船内 光る宝石
5
石なくし 命を絶った あの彼は 金の卵を 生む鳥だった
5
ゆく道に 小石一つも 落とさぬと 北風さえも 息をひそめる
7
正月既に半分過ぎて今だに居座るバツイチの弟
5
このドリア
不味
(
まず
)
かったっけと 僕が言い クスッと笑う 君は
陽炎
(
かげろう
)
6
幾たびも神戸に行きしボランティアやはり要るなと
携帯電話
(
けいたい
)
を買う/亡夫
26
スマホから指を離してひらがなの「やすみ」を飲み干す土曜のひかり
25
湯気の向こう誰の期待も届かない場所としてある朝の珈琲
26
八戸ノ里
(
やえのさと
)
季節はずれの温い日に 司馬の書斎の小庭を歩く(司馬遼太郎記念館)
22
2切れの紅鮭がウネウネのコンクリートジャングルを祈るように泳いで
5
同じ家の並んだ街を寒風と過ぎれば暮るる人参畑
19
他人
(
ひと
)
からの言葉を借りてつらつらと君の道など説けば星雲
8
未
(
ま
)
だ寝静まりぬ
黎明
(
れいめい
)
阪神を襲ふ震災 忘るる
勿
(
なか
)
れ/一・一七
26
トイレ行き夜具
入
(
い
)
り直後に大地震幼時の記憶鮮明にあり/阪神・淡路大震災
16
蛍光灯消す事出来ずに寝る幼時心をえぐる地震の爪痕
13
本棚の上から 広辞苑落ちてきた あやういところで 頭には当たらず>震災の記憶
21
ひたすらに亡き人読み上げ
TV
(
はこ
)
の中この世去る友泣き崩す母/阪神・淡路大震災
14
昼前に 少しブラブラ パン屋まで ドアから匂い 食指が踊る
4
親なんて自分を棚に上げないとできないものとつくづく思う
24
母さんも昔は子どもだったからうざいと思う気持ちもわかる
20
直下型宙舞う記憶脳裏には夜具しがみつき成すすべもなく/阪神・淡路大震災
17
二十歳なる光の殻を脱ぎ捨ててゆく背なまぶし 息子(むこ)に幸あれ
30
好きな子がくれた塗り絵を
吾
(
あ
)
に寄こす「きらわれたくないからもらつた」
12
父は言う 大変だったと あの地震 知らなくても 思いは馳せる
13
目が覚めて 時計を見ると 十時過ぎ 珈琲淹れつつ のびのび背伸び
5
採血のあと 痛々し ちま猫ちゃん 3.9キロ もっと食べよう
21
受験生共通テスト今日本番後ろ姿が凛々しくて
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