目移りをするような人じゃないことも誠実なのも知ってる だけど
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デニッシュの 画像を見せる 君の手に バンドエイドを ようやく見つけ
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そうやって彼女にやさしくするんでしょ そういうところで好きになったの
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肩とかが触れないようにする私 油断しないで きみが好きだよ
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月曜の「おはようございます」の声 弾んでること気づかないでね
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句は出せど 苦は出せずで 青泳ぎ 鏡覗けば とろサーモン 
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銀齢シルバーの呆然とする 銀幕に ノスタルジー無きヒーロー翔る/スーパーマン公開初日
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夕立で湿った選挙公報を広げて置いてゆく四畳半
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予言の日なにもなかった日常の延長線に住んでる僕ら
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絞首刑登る罪人の足どり我は登るか体重計に
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ただきみのエンドロールに私がいれば いいなと思う夜9時半
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このままの関係性じゃ終われないけど 勇気が出ない高1の夏
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奪いたいとかじゃないけど別れたら教えて深い意味はないけど
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甘えたはアイスの味もおまかせで甘やかすから好きを知ってる
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たこわかめネギでさっぱり酢味噌和え 去年こぞの梅酢が良い仕事する
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「珍しい」「いいもんを見た」「優れた歯」 勝者になれる 歯医者 大好き
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吹き抜ける風と塩素とチャリンコと ああ夏休み、ちょうどこんなで
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ボーナスは出たと言えども午後七時区役所の人も残業している
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誰しもが自分と同じ醜さを持っているはず信じたい午後
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うたかたが結び弾ける夏の宵 この一杯のために生きてた
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風強しうねる青稲猛る音 散歩の犬もはためいている
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朝5時の満員電車ではくしゅしてそしてわたしは人に戻れる
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被らないシフトに死んだ魚の目「お疲れさまです」え?午後出勤?
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永遠を思わす ただただ待つ時間 夢を泳ぎし おとぎの国で
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おもいでの夏にふたりは交差してふとしたときにコップがおもい
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吾子の縁 月命日は 不思議な日 吾子思い出し 線香を焚く
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バスの揺れ 微睡まどろみて見ゆ 泡沫うたかたの夢 想ひ人 ひとときの幸
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永遠の輪廻往き来の並木道稀有の孤狼の何者と言う
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風量が定まらず吹く戸惑いはエアコンじゃなく窓越しの風
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余を含み 莫迦みなはんな 蝿のごと 奴らの陰に 死を祈るなり
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