Utakata
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北純一郎
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草野球した公園を訪ねれば跡かたもなしタワマンの
敷地
(
なか
)
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ふるさとの
一軒長屋
(
バラック
)
いまやタワーマン場末の街は麻布となりぬ
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酷暑越え
樹樹
(
きぎ
)
の緑にまもられていま立つ時ぞ曼珠沙華
15
立枯れの
街樹
(
きぎ
)
に寄り添い彼岸花秋来たことをつげるがごとく
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在りし日は子は
鎹
(
かすがい
)
というけれど今やLINEが一筋の糸
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初恋の君の名前も浮かびこず
昔話
(
はなし
)
が弾む同窓会
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懐かしい秋風吹いてゆっくりとホットココアを沸かしてみる
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病床でネットサーフィンの果てに予約したのは人間ドック
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つらいこと悲しいことも大丈夫歌の翼で君がくるから
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雨やんでほのかに見ゆる夕焼けの彼方は浄土彼岸会の空
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病室の窓をあけて曇天の涼
(
あきかぜ
)
風ふく彼岸が来たり
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温暖化異常気象のこの秋にコロナ陽性これもありかも
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つらいこと語ればやがて良き
(
こやし
)
経験さあ飲もう生ビール
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シャンパンを交わし交わした酒場にて今は手酌の独り酒
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長き冬こえて耐えた麦の穂よ金の剣で天を貫け
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おもひではさみだれぐもに端切れぬちかき人をば恋ふゆえなり
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二とせの臥薪嘗胆しかる後君の姿はうせにけり
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かきくらす心のまどひさらねどもいま立つ峰ぞ雲の分かるる
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あひたしと思うもあへぬ忘れんと深山幽谷我が目指す道
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途遠き日吉のはてを千里なばわれけふ一里だに歩きたし
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門高し早稲田の杜を見上げつつはかなき命われついやさん
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