世紀末生まれのぼくも吞み込んで世界を変えろ令和世代よ
3
人生を決定できる人になりたかったと食うジャンクフードを
3
夜毎よるごとの薬を切らし這い出した 毛布の外はちょっと寒いな
13
一日が あっというまに 過ぎていき 今年も残り 三分の二
7
悪性のしこりを胸に焼き棄てて少し明るい海に漕ぎ出す
7
新しき令和の「アン」の登場に広がる世界をまた楽しまん
14
旅先の 真黒まくろの空に 二日月ふつかづき かげなる球形すがた おどろに浮かび
14
はじまりの熱が恋しい 色あせた本の頁を片手間に繰る
14
甘い物欲す身なれど独り身で買っていいのか柏餅とか
10
葉桜の土手の下には春紫苑はるじおん 愛でられずとも揚々と咲く
24
彼の人の背中をきっと押しただろうあなたの背中を見ている私
5
連休は 大掃除とか 断捨離を できたらいいな (する気はないな)
13
幾千の冷たい手に包まれておんなじ病気で君と死にたい
3
掻きむしり真白の頭蓋を空に見せはっきりとした曇りに烏
4
寝ることで ワープリセット 逃避でも 一回休み これでいいのだ
10
あちこちと動けば猫もそちこちと磁石みたいにくっつき踏まれ
16
連休に 出かける予定 ないけれど 食料だけは ゆるく散財
14
待ってくれもう少しだけ待ってくれ 無事是貴人の域に入るは 
10
新緑の隙間に見える青空に犬とステップ尻尾はタクト
15
年取れば時の流れは速くなり今年も過ぎた三分の一
10
休み中やりたい事はあったけどうまく行かずに今日は寝ちゃった
7
湯くぐりて この時季ときはなつ芳香かな わさびの葉花おひたしにして
17
鍵を挿す乱暴な仕草あの子にもそういう扱いかたしてるのね
3
「もう一度触れてください」切なげにだれかを呼び止める改札機
9
空の指輪に薬指を添えて あなたと私の未来も少々
4
盛夏には大き葉繁るプラタナス 木漏れ日きらめく新緑も良し
21
スーパーのチラシを熟読する旦那ガトー・オ・ショコラをほおばる奥様
5
翼なんか要らないんだ。翼が欲しくなる世界が消えてください。
4
「雷の季節が来るね野球少年が 犠牲バントを拒否しだす頃合に」
3
臆病なカウボーイの話しよう 入れ歯で噛めない肉を前にして
4