こんなにも生きてきたねと愛がある誰かのためにぼくはそのまま
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灰色の空をきみはよく駆けた 折れた角撫でメリークリスマス
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それとなくきよしこの夜を祝おう カオマンガイと麻婆豆腐で
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セール品ハンドクリームまとめ買い 酷使で荒れる年末の手に
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堂々と ここにおのこが棲むことを 賊に知らしむベランダたばこ(防犯のためなんです)
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アボカドがかたい気がしてあやふやにくり返してる気持ち十秒
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クリスマス 録音して初めて気づく自分の喘ぎ声の癖に
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雪深き地方生まれの友人は流石に凍りし道も平気で
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この世ではあの世のことを言うけどもあの世で次の世何と呼ぶのか
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苛立って起き抜けに叫ぶ気でいたが妻の気配で布団に潜る
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辛抱が足りぬと父の説教も効かず飛び出す若かりし頃
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明け方の河畔を泳ぐ水鳥の波紋が後にゆっくり開く
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クリスマスも正月もなく仕事する人たち思い頭が下がる
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自由にはつきものらしい孤独とか丸ごと愛してあげるおいで
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二の腕に大きなアザを作った日 優しくされる夢見て泣いた
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水溜まりできても歩き出すときは跳ねる水さえ気にせず進む
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エラ呼吸だったりしてと頬に手を当てて気付いた小さなニキビ
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風さえも私の敵でいたいのか帰りくらいは背中押してよ
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爆ぜた春石の下に住む虫の数それ以上に死す思い出の数
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図書館へ予約の本を取りにいく からだがちょっと上下にゆれる
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短歌とは孤独の一部をあてがって言霊にする営みである
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小さなる箱を手にしたラスコーリニコフをあおる顔なき声よ
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唇が ひび割れ渇き 痛くなる リップを塗って 保湿しなくては
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あどけない寝顔を直ぐに起こしたい 聖夜零時にプレゼント置く
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昨晩の余ったチキンを頬張れば私のイブはまだ終わらない
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風呂上りポカポカしてる湯上りに 身にしみいる寒さ冬至かな
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男2人女1人の三兄弟なのに髪の長さ全員おなじ(ボブ)
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いくつもの出会いと別れと再会をutakataここでも味わい今年が終わる
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いつもよりゆっくり歩いてくれてるの他の人ともこうして歩くの
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クリスマス チキン煌めく イブまでは 一夜明ければ 在庫セールだ
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