散る羽毛破れたダウン後光差す 飛び降りるきみ天使のように
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モニターが微光を放つ、山際の(ごみ箱)と(遺書.txt)
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彼は誰時 わたしがあなたになれずとも 遥か遠くの 空港にて待つ
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風呂浸かり将来考え一時間 のぼせた脳みそ「なるようになる」
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クリボーくらいの強さです 人間界では最強です
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天体をかすめて落ちる衛星の望郷にみな焼かれてしまえ
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食材が 山と積まれた八百屋にて ふたつ以上の季節の香り   
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今度泣く時は絶対うれし泣き だからあなたを忘れてあげる
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ねこが布団 もぐっていって 足でてる おもしろかわいい 笑ってしまう
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手を合わせ わずかな賽銭で願う 世界平和と家族の健康
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職業欄「無職」と書きぬ我がいて勤労感謝の日の暮れてゆく
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ゴールデンスランバーが蛍の光 意味がわかって頷くのが友
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両足を浮かせる秒数増えていく楽しく続けよ!バランスボール
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ポニテシュシュ 後ろリボンの春コート いったい何歳いくつに見えているやら>おまけに童顔
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青い空 まだ冬の彩いろはしていない ほんのわずかの うろこ雲かな
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カメラマン 撮影だけに熱中し 拝観客の足を止めがち
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急な坂登り登った山寺に労うようなもみじの紅
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私には到底無理だ真似出来ぬ 妻の勤労 家事のアレコレ
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建前たてまえ と信じた言葉本音だと 知ってしまったあの日の夕暮れ
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推しがいてカレシはいるし犬もいる。でも寂しいって友は姫君
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波のよに寄せては返すこの想い もう大丈夫穏やかな海
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あいまいな吐き気にも慣れた放課後うしろめたさはお互いさまだ
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遊び食べ 成長過程と 言い聞かせ 散らばるおかずと 皿を見つめる
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子の食事あの手この手で工夫して 出す親ごころいつか伝われ
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名を持たぬコンクリートの塊が悲しむような岸壁の時化
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衣替えしながら思う あの頃の君の体型  今何処(いずこ)かな
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駄菓子屋を 潰して作った 駐車場 チョコバー代わりの 遮断バーひとつ
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亡き父の 年齢告げる 体重計 軽くなったな ゼロキログラム
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加齢臭 言うと悪いと思うから また取り替える 消臭ビーズ
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葉を落とすカエデの下に横たわる家なき人に陽光は降る
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