見慣れない縦に並んだ信号機雪の重みをおもう夏の日
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ふた夏を 超えて芽吹いた 蕾触れ 甘酸っぱさと 残り香、ふわり
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田園の景色ひろがる新潟の米語り合ふ君は助手席
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こころもち ころころもちもちでかわいい コロ助とかが言ってて欲しい
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ごはんとかかわいいとかを名前だと永遠に信じてて、犬猫
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︻納涼︼かたはしの ふとんたわむも ねがえらず いっしゅんおいて びゃくだんの香
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好きじゃない人にはいくらでも好きと言えるのに。 なぜ、なぜ君だけは
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蓋をしたはずの想いが君からのライン通知に引きずり出される
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恋人をたくさん乗せてる観覧車私はホテルの窓から見るだけ
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気だるげにミスタースリムを吸う歌人それを眺めるミスターメタボ
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青空に寝ころびつつ見上げればいづれのまに 朱に染まりけり
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生命いのちある限り わたしは歌い継ぐ いのちの歌を 祈りの歌を
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君の持つイマジネーション肩代わりされて行方はプロパガンダか
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言っちゃえば もうかっている くにかいしゃ なんくせつけて かねむしりとる \エヌヴィデア利益十五パー上納
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言葉以外の表現を知らないおれはグラデーションに溶けて無くなる
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おみちびき 差配 おつげは 遠ざくも うんめいなど 言うなよてれる
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夏の夜は「怖い話」にご用心 「姪がギャン泣き」恨まれ候
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ためいきか らしからほどの こえつづき あれやこれやと おもいめぐらす \自分のことはタナにあげ
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真ん中の 栞みたいに なりたいの いつでも 戻ってこられるような
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泣きながら ご飯を食べている人は 幸せになるそう 私もそう
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「なつやすみ」名演出家この緑 山に故郷くにより じゃがりこサラダ
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顔しかめ泣き声あげたすぐ後に 揺れる木の葉で赤子ほほえむ
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雨降りや曇りが続いて恋しいは晴れてて暑く蝉の鳴き声
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目を閉じる なんか泣けるなaikoの詞 他人を愛したことはまだない
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言語野はもらった愛へ降参の白旗はたの代わりに水をふらせる
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盆入りが頭の片隅ありつつも 冷やしパインの入浴剤お湯を選べり
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昼飯はお前が作れ親は言う実家にきせい帰省/寄生致し方なし
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居座った悲しみならば受け入れてジョンと名づけて飼育してみる
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「ラップはかけずにレンジであたためて」私の一番好きな言葉
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猫にご飯をあげる時わたし"必要な人間"だね
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