制服着て大人の気分背伸びして校門潜り吹く風光る
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十六と二十歳はたちを神が結び付けあなたと逢った春があったね
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折々に思いもよらぬ蹉跌来る世に萎縮する客人なるゆえ
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君が代の斉唱途中でハッとする歌詞画面読み和歌だと気づき
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日に透けてやさしくそよぐ木々の葉は燦々として風に煌めく
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掲示板に自転車チャリの鍵 木の葉にペン字にて 「おとしものです」のメモ添ゆ
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殺人に使っちゃダメだ包丁は殺した後の調理に使え
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「押すなよ」と言えば押されるこの国はアリスの国を超える不思議さ
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マンションの三階までも階段を登った花びら廊下に散らばる
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白熱の逃げたい心捩じ伏せて由伸に点け二つ目の星
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悪夢みた うちにはねこはいるけれど 獏も飼いたくなる朝がある
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魂と魂がひっつき合って溶ける輪郭夜はこれから
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花開く月下美人を袖にして誰をか思ふ互ひの瞳に
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今日だけのまじないだから書いとこか虫除け札は逆さまにして/卯月八日に
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街中に色んな春色あふれてる 外を歩けばカラーセラピー
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シャーロット いつも会う場所ところ 横断歩道上 おうだんほどう君も私も 同じルーティン /犬です
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めぐろの川 花筏みちて そよぐ東風 三々五々に 天の川へと
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夜明け前 日の出を急かすかのように イソヒヨドリの笛の音響く
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​ファスナーで夢をこぼさぬようにして 眠るチケット起きて時間よ
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桜花なり 僅か十七逝きし友 存えながらし身は恥の多くて
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※ 花祭り 雲はゆっくり 離れ行く 朝の冷たさ 良き日の証 ※お釈迦様の誕生日
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口語歌と 文語の歌と 一目見て 「位相語」の如く 違う語彙の差
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「見せ消ち」を 読むは楽しも 定家書写 御物本なる 『更級日記』 /影印本
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白妙の 懐紙に赤き 跡とどめ 唇を押す 指を反らせて
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さみどりの 紡錘形の 莢の内 黒き実放つ 天竺の香(こう) /カルダモン原産地天竺
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弁当と天国行きのチケットを鞄に詰める午前四時半
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東京に負けた気がした帰り道何に負けたかわからないけど
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「五分間」閉じ込めようか永遠にそう願うのは僕だけだった
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深層の 心の傷を さぐるよに 鈴の余韻は 永くふるえて
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夏来たる ぐんぐん伸びる たけのこや 季節彩る たけのこご飯 母の味 ほくほく匂い 笑み溢れ
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