遠い山沸き立つ雲に一面の緑をなす田嗚呼夏景色/日傘の貴婦人は居ないけど
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盆帰りこだま飛び乗り日常へふと顔上げればあら外は海
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きっと訳も分からす秋が来る台上前転の着地する我
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シャンプーに慣れて余裕の保護犬よシャボン玉ひとつ鼻先を飛ぶ
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夏休み あれだけ待ちに待ったのに 後半になれば 友が恋しい
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ベルが鳴り 瞼の重い 5時間目 ふいと差し込む 心地よい風
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海か山 無論答えは決まってる まずは君から 教えてくれる?
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愛用の センスの悪い マグカップ 射的の景品 あなたの遺品
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微笑みを「ほほ笑み」と思い口角上げる 笑顔は人の特権だもんね
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会長は米寿になるも頑固なり無理と言っても無理押し通す
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盆飾り早々整え待っているよ部屋を冷やして待っているよ
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あの夏の答えあわせをやっとして午後五時半のガストで泣いた
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寝落ち前 夢と現実行き来する 三途の川に慣れるためかも
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キャンプでね 顎に虫つき 肉落とす タレ付き皿には あり集まる
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墓参り おててを合わせ 祖母見える ここが私の 入る墓かも
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初秋あきの風 マスクしてても涼しいわ 郵便局と病院おわり(特定健診の結果ゲット。血液検査、優等生ー。中性脂肪は66♩)
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人を人たらしめるもの掻き集め 捏ねて丸めて窓辺に飾る
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吹き荒れる風 曇天どんてんの 墓参り 雲を仰ぎ見 祖父母をしの
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幸せな夢を見ながら死にましょう これが求めたハッピーエンド
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高齢で 高学歴の おばさまは きりりとしつつ くわばらくわばら
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張り切って お祭りしたい おばあさん 子供の気持ち 知らぬ存ぜぬ
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曇り空 眠気を誘う そよ風に 熱中症は どこ吹く風よ
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そびえ立つ山の向こうで暮らしてる君も見ている落ちそうな雲
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秋雨の 前線見舞う 盆休み 期待はずれの 40度越え
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はよおきた 喜んだ顔が焦りだす スマホの画面に 11の文字
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血圧が 百四十も ある妻に おっと九十 話しにならず
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ただ生きて 死んで行くのが 辛すぎて 人と獣は そこが分かれ目
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堕落した 世の中にいて 崇高に 生きる理想は 未だ降ろさず
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爪を切るぱちんぱちんと切っていく 私の努力もこれでさよなら
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花火さえ金燃やす気する野暮なれば 入場料をばひとりケチたり
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