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数合わせ 一夜限りの
宴
(
うたげ
)
にて
盃
(
さかずき
)
交わす 名も知らぬ人
15
遠浅の渚ようやく指さきをつめたく濡らしじっと手を見る
3
祈っても助からぬもの祈ってもこぼれてしまうじっと手を見る
4
あらっても落ちない血のり太陽にこわごわ透かしじっと手を見る
2
お廊下で ニャンニャン呼ぶのを聞きながら 高速でオフロ済ませる ねこ母
7
マフラーを手繰り寄せている十一月 オキシトシンを享受させてね
3
温かいスープに浸かる 鮮やかな色とりもどす 野菜みたいに
6
甘酒は砂糖控えめ母の味 粕と生姜がじんわり沁みる
12
キス顔の練習してる鏡の前 視界のすみに母親の視線
15
切先を自らの喉突きつけて普通を語る人の危うさ
5
色と匂いのついた湯のなかにて 飛び石ならではの疲れを癒やし
3
おのおのが 不平不満を 持ち寄って 焚き火にくべる 金曜の夜
21
夕暮れの雪明かりする帰り道
娘
(
こ
)
等の町にも降っただろうか
13
勤労感謝の日は過ぎキッチンガーデンは更地となり春まで休園ならむ
1
かたい蓋おひとりさまの馬鹿力 この世の悪を倒した感じ
36
歩めども 重なり合えぬ影と影 やがて日暮れの闇に抱かれ
4
君の赤私の青がまじりあい紫色の夕陽眺める
3
見て見ぬと言うのではなく最初から見てはいないと自己暗示する
11
にいちがにににんがしにさんがぱちん サイダーの音はじけて消える
3
戦争にだってルールが必要だ拾う破片に反射する赤
3
悲しみは 時の流れに 癒されず 質変えながら 心にとどまり
11
散り果てし
柾木
(
まさき
)
の
葛
(
かづら
)
くる人もなき山里に月とのみすむ
5
水筒から立ち上る湯気
=
(
イコール
)
外で感じる家の気配
2
「ホッカイロ買い足したよ」と母からのメールには誤字「春を多めに」
6
雨上がりきれいな虹を見上げれば明日はきっと素直になれる
10
「もう負けねーし」という君の雪を踏む爪先から星くず
4
偶然を装いあなたに会いに行くもらいタバコのパーラメント
4
保安所の不在は窓にあらわれてやすらぐだろう警報ランプ
4
恐るべき君の引力振り切れず君が太陽 僕は惑星
8
アドバイスしただけなのにパワハラと煙たがられた 何も言うまい
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