Utakata
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怜梨欠
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ときなしかけるです。下戸です
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人生の問二で早くもつまずいてただ俯いてペンを置いて、
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その言葉に何一つ嘘は無いと信じて生きていけたら、もっと、
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これ以上壊れるものなど何もないはずなのに踏み砕かれる日々
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何からもシラフで生きていくのには朝陽の味が苦すぎるせかい
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暗がりのなかスライムのASMRと米を研ぐ音まじる
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膝を突き天を仰いだ背後から
黄金
(
こがね
)
が散って影を
曝
(
あば
)
く
陽
(
ひ
)
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ステージライト、マスクに反射して。一糸乱れぬサイリウムだった。
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人生の汚点で線を象って道を作って、泥にまみれて
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真夜中にしおりを挟まずに寝たつづきを探る、こうして生きてる
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前髪を切った分だけ瞬きに雨粒さむく滴り落ちる
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いつだって嫌われる日が来ることをつゆも疑わずに砂を噛む
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滝行を熱いシャワーで毎夜する赦されたいと指を組んでは
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五月晴れには程遠い散歩道つつじの色に慰むる昼
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粛々と来週分の処方せん装填していく祈りを込めて
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背中に刺さった無数の後ろ指、鉤爪になってもう抜けない
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ぬるま湯に浸った真綿に潰されるここに君がいてほしかった
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君と一緒に食べようと買ったチョコ無機質な鉄扉の間から通す
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躊躇なく今日も眉毛を抜いていくレールからはみ出たのを選んで
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一歩目の地面がどうも薄氷に見えて踏み出すのが怖い道
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起き抜けのうす暗いなか白湯を飲む幕明けまでの時間稼ぎに
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僕は不要、いや、そうじゃない、でも……そんなことばかり繰り返している
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首吊りの縄のおかげでかろうじて潰えることなく息をしている
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年賀状出す道すじに南天の赤突き刺さり風の吹く夕
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街灯に置いてけぼりの子供靴ごく精巧な花びらの白
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間違えて開くAIに愛してと打つ程度には疲れている
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別れ際に持たされた紙袋の重さはそのまま罪の重さ
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まだ少し冷えるからもう一枚、もう一枚と重ねていくふゆ
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みなさんどうか幸せに、来世では誰か選んでくれますように
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何回も、幾度、幾度と間違えて、それでもこの愛だけは正しい
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先人の手垢まみれの薄氷の裏切りに怯え踏みゆく日々
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