Utakata
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怜梨欠
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ときなしかけるです。下戸です
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五月晴れには程遠い散歩道つつじの色に慰むる昼
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粛々と来週分の処方せん装填していく祈りを込めて
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背中に刺さった無数の後ろ指、鉤爪になってもう抜けない
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ぬるま湯に浸った真綿に潰されるここに君がいてほしかった
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君と一緒に食べようと買ったチョコ無機質な鉄扉の間から通す
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躊躇なく今日も眉毛を抜いていくレールからはみ出たのを選んで
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一歩目の地面がどうも薄氷に見えて踏み出すのが怖い道
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起き抜けのうす暗いなか白湯を飲む幕明けまでの時間稼ぎに
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僕は不要、いや、そうじゃない、でも……そんなことばかり繰り返している
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首吊りの縄のおかげでかろうじて潰えることなく息をしている
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年賀状出す道すじに南天の赤突き刺さり風の吹く夕
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街灯に置いてけぼりの子供靴ごく精巧な花びらの白
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間違えて開くAIに愛してと打つ程度には疲れている
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別れ際に持たされた紙袋の重さはそのまま罪の重さ
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まだ少し冷えるからもう一枚、もう一枚と重ねていくふゆ
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みなさんどうか幸せに、来世では誰か選んでくれますように
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何回も、幾度、幾度と間違えて、それでもこの愛だけは正しい
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先人の手垢まみれの薄氷の裏切りに怯え踏みゆく日々
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今日もまた僕はだめだと泣く夜のタオルケットのそのやわらかさ
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どうしても水に惹かれる
質
(
たち
)
なので夜の
溝
(
どぶ
)
すら綺麗にみえる
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足湯くらいなら用意できるかもここ最近に流した涙で
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「あの雲さ、うんこみたいだよな」白いんだからソフトクリームと言え
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夜の秋こんな気持ちはもういいよ青の侵攻、脈打つ米噛み
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なんかもう在宅と株とマンションで雑に稼いで猫と生きたい
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すりきれてすりきれて干割れた自信せめて自分に赦されたいよ
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「ていねいな暮らし
(笑)
」と笑う人たちはどうせ救ってくれるわけない
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日に透けるすすきに白く風吹きて水無滝の川ぞ流るる
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寄せては返すカーテンにモビールの音近づいてまた遠ざかる
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病葉に夏傾いて蜩の声も聞かないまま秋が来る
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目を閉じていつかきっと、きっといつか救われるはずとかなしい祈り
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