Utakata
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かたつむり
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よろしくお願いします。
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そこに立つことはもう無いバス停の影は私の影に似ていた
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足裏にほくろが一つあることを
私
(
わたくし
)
だけが知る、ホームにて
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五億年前海だったゆえにまだ音も匂いもしない教室
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大丈夫 泣いたことがあっても無くても、あなたには絶対に夜が来る
3
足跡のない新雪を両腕を大きく降って行くコロンブス
5
目が覚めて死ななかったと言う前に朝になったと思う新年
4
カレンダーをめくる 三月十五日私は眼科に行ったとのこと
9
我々の日常としてわたくしを人目につかない場所で泣かせる
5
腿の間をすり抜ける赤 きっと私は最初の人間ではない
2
三ヶ月前の手書きの
◯
(
まる
)
印 私は眼科に行かなかったね
3
キッチンの手が届かない棚 かつてここには蜘蛛が住んでいました
6
余命二十四時間分の十八の風が冷たくなってきました
1
二十年前の七月十五日 『路傍の石』を延滞した人
2
君の声私宛ではなかったね 履歴に上手に並ぶス、ピ、ッ、ツ
3
教室にたえてあなたがいないので 朝がのどかになってしまった
3
カーテンの影だけがある教室をあなたが知っているのが悔しい
5
生活はいつも知らない場所にあり つけっぱなしのままのエアコン
5
小学校の開放プールの水深がいつもより浅かったこと
5
タイトルが面白いので借りた本がつまらなくても夜は明けない
3
雨 二週間前に失くした自転車の鍵の上にも平等に降る
5
ゴミ箱がどこにあるのか聞けなくて枝毛を払う 夜の塾にて
3
島国に住んでいるので海よりも深いところを知らないで死ぬ
3
「
重複
(
ちょうふく
)
と読むんだ、
重複
(
じゅうふく
)
ではなくて」きっと間違いではないあなた
3
あなたになれない私が死んでいく 前歯の間に見える血の色
3
二年間ラインナップが変わらない自販機がある街に来た夏
7
教科書にあったかっこいい単語の意味をあなたに教えてあげない
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炭酸が苦手なことに気づかないふりをしていて、まだ夏じゃない
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眠るのが怖い 明日生き返るやり方がまだわからないから
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ソリティアは詰むこともある 山札の揃えた角をじっと見ている
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水たまりに映る空がきれいだと言ったあなたのせいで夕立
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