かたつむり  フォロー 15 フォロワー 13 投稿数 222

よろしくお願いします。

あなたと同じリンスを使った夜 今の私はきっと可視光 

帰り道君がとなりで呼吸して 圧倒的に夏が来ました 

インドカレー屋の読めない店名よ 夕日は今も揺らぐだろうか 

君の手の温度を知った午後三時 桜前線は止まらない 

斜め前の席に君がいない日の いつも通りの風が憎いよ 

「一缶三十円で買った偽のコーラがあるよ、夏が来たって」 

午前五時壁に光がカーテンの形になって、ただ揺れるだけ  

蛍光灯と午後の日が溶け合って 僕ら蛹のままの生活 

花びらを散らす嵐は向かい風 初めて君の立ち漕ぎを見た 

二人分昼の光を遮って 「思ってたより風が強いね」 

地下街のフードコートのざわめきに 言葉を選ぶことさえ惜しい 

手を繋ぐことはもうない君のため 少し長めに保湿する朝 

「取り外し操作がうまくできません」秒で消えた思い出の遺書 

履歴書の志望動機の空白にかけるのは何?私はソース 

午後五時を指の先まで知るためにオレンジジュースを百円で買う 

スカートを揺らした風に誘われて 少し気取って歩く夕方 

春が来たことだし恋の話でもしよう 風が赤らむくらいの 

天井から聴こえる、上に住む人の忙しない春に少しエール 

ありきたりな初恋だって春の味 今日の天気は曇りのち晴れ 

風はまだ冷たいけれど少し前を行くあなたの背中は春だ 

最初から分かってたはず だけど君の姿が今は目に痛くてさ 

よりどころ なんてないのよ太陽は薄い身体をただ照らすだけ 

いつの間に日と蛍光灯が混ざり 僕らは蛹のままで暮らす 

もう過ぎた春はチョークと共に消え 「私のことを覚えていますか?」 

私を置いて先に行かないで 半分残したショートケーキ 

学校を休む日の朝 本棚に並ぶ漫画の背表紙を見る 

20%パー引きのレタスの黒ずみのごとき生活 今日も明日も 

散らかった部屋の真ん中に嵐の後の虚しさを抱えた私 

隣人が弾くメヌエット ト長調 トリルが我をそっとくすぐる 

深夜寝てお昼に起きた 君からの着信音で目覚めたかった