Utakata
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かたつむり
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桜はピンクではなくさくら色 制服に袖を通す朝に
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高速道路の下の信号機を待つ 今日も細胞が呼吸を
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いつの間にできた花屋の店先に長い名前の木と花がある
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もう帰ることはない街の空に ワームムーンはただ滲むだけ
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雨降って地がなんとやら 僕たちの肩に降るのは雪でいてくれ
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「誰とでも笑うわけではないよ」って それってつまり、つまり春かな
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半歩前を行くあなたを振り向かせられない私が放つ信号
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無くしてはいけない書類を無くした日 夕焼けの光が焼き付いて
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夕焼けで触れる程度の「エモさ」をそれでもまだ手放せずにいる
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よく晴れた春に襲ったかなしみが実を結べばと、そう想う今日
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君が空気を震わすのを見るために 好きな映画のことを聞くなど
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靴下に穴が空いたよ うららかな日差しに足の指が乱入
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前髪を切りすぎた日の翌朝は光合成がしやすくて良い
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改札を通れなかった人を見た 歯車が少し軋む二秒
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熱湯に落としたい人と熱湯に落ちたくない人の掛け合い
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「会えない時間が愛を育てている」切符の前に言葉は無力
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春の日の予行練習みたいな朝に昨日のことを思い出す
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エアコンが僕と君との緊張をかき混ぜていく冬の日の夜
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コンビニで桜の味がするチョコを買って帰るよ 雪に足跡
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「午後九時は深夜なのよ」という君の頬の赤さに触れてみたいよ
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大切な人の命を「あなた」とか「君」とかの代名詞で殺す
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君の頬の右側には片えくぼ 誰かの遺伝子が息づいて
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カップラーメンを見つめる三分の間に消える星々がある
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君がもうすぐ行くという異国では 「愛してる」ってどう伝えるの
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制服の上に白衣を羽織る君 中学生的な恋心
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洗剤でシャボン玉を作りました 君は帰ってこなくていいよ
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ポケットに豆大福を隠し持つ 今の私の目は捕食者だ
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君の目を陳腐な言葉で縁取った時が私の、私の敗北
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「ハンガーが一つ足りない気がするの」カーソルはまだ点滅している
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本棚の奥で眠っていた本を開く ここから春が始まる
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