ささみ    フォロー 3 フォロワー 1 投稿数 32

はたちのこども

薄れゆく記憶のなかで僕たちが寄りそった日を照らす雷鳴 

冷えた鉄、融かすのは熱。絡まったネックレス、ほどくのは指先。 

まぶしさに臆せず買えばよかったな ミッドサマーみたいなワンピース 

友達がわたしの好きな短歌など音読してくれている祝日 

陽が落ちる空はひかりの色だった ほそる赤色ひらく黒色 

どす黒いコーヒーを飲む 物憂げな科白せりふ塗りつぶしていくように 

シャッターを切れば忘れてしまうから よく見ていてとあなたが笑う 

陽だまりの横顔ばかり思い出す 君の夜には僕はいないの 

肩並べ となり ことなり ひととなり なりやまぬ音この胸に聞く 

まだ誰のものでもない星を繋いで僕らのための星座をつくる 

8月のくびれに砂はとどまらぬ 天地返して折り返しの日 

この窓から見える星が全てではないのだと知るために出てゆく 

折り紙の花でも指は切れるから 優しいだけの声を飲み込む 

どんな欲も祈りに変える星たちが夜にたなびき七夕となる 

幾億の星の中からひとかけを見つけたような微笑みだった 

白い羽で追い風に舞い地に落ちる つばさ持たない鳥の名は花 

昔日に切り離された尾を抱いてぼくはひとりだ 人の子は泣く 

花言葉 花に名付けど花に無し ただ見る人の内にこそ在り  

夢がる木があるという もぎ取ると途端に夢で無くなるそうな 

「この手紙があなたの手に落ちる頃には」郵便受けに21g 

君想い跳ねる第二の心臓を蓋で閉じこめ「亠心心」の字となる 

さようなら 別れの春が来る前に きみの寝息が幼いうちに 

どこからか採ってきた花を撮る 二度奪われてもう花瓶は棺 

孤独には対義語はない 真夜中にきみとなぞった淵のぬくもり 

心とは 記憶の中の紫陽花が現実よりも美しいこと 

あなたにも私と同じ心がある そう思い込み百年が過ぐ 

流れゆく時間ときはこの目に見えるもの 薄ら消えゆくサンダルの跡 

痛むから 君の笑顔は僕の傷口 唇を唇で塞ぐ 

偽りの顔と名前をこしらえて泳ぐ 全てが文字となる海 

深夜二時 頭もたげた性欲と呆れて見下ろす社会的俺