よろしくお願いします
ぼくんちの蛇口は炭酸水が出る ただし気は抜けてるわけだけど 0
「ウォーリーをさがせ」と我らに指示を出す 見知らぬ存在 目的は謎 2
缶底に残ったコーンを飲みたくて 空ってこんなに広かったんだ 7
おろしたてのノートのような涼しさに 寂しさ混ぜて出来上がる秋 4
「反抗期」そんな三文字で済まされて たまるものかとまた抗った 5
人を見て勝手にわかった気になって それが刃となってゐるのに 1
Amazonの「おすすめの品」を意味もなく 彷徨く金曜午後十一時 6
5分ごと 重ねがけにした目覚ましも 私の翼は奪えなかった 0
「ただいま」に「おかえり」の無い寂しさに 実家の番号を思い出す夜 3
カバー裏 君の消しゴムに恥ずかしそうに 書かれた名前は僕じゃなかった 4
父さんの肩から見上げた星の音は 1オクターブ高く聞こえた 5
君からの通知は来ぬかとそればかり 嗚呼人類は退化している 6
あぜ道をカレーの匂いに急かされて 五月二十日の午後六時半 6