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実物に会っておどろくあの人の名前に顔や声があること
8
一時間長きあはひをいただきて眠りに捧ぐ冬のはじまり
1
窓辺より風の吹く日になに飛ばさむ こころ ことのは このみ 飛ばさむ
2
不公平不条理は此の国に住む正道と言ひ星条旗揺る
1
目の前で私に微笑む貴婦人は没年千五百十一年
0
終電はみんなやさしい今朝おれをカバンの角で殴った人も
8
うたくずを拾えるときは胸郭の内
||
(
オア
)
外が雨降りのとき
3
手蔓藻蔓
(
テヅルモヅル
)
のゆびさきは
嬰児籠
(
えじこ
)
の
藺
(
い
)
やさしさ帯びて
黙
(
もだ
)
にたゆたう
1
少年の朗徹去りし五線譜は降りて感傷過多のヘ音に
3
音楽と缶チューハイと夜がきて心はやっと水得た魚
6
母子手帳 どんな子供にも 寄り添って 成長見守る 暖かい人
1
私には 泣き顔見せて いいんだよ もう我慢なと しなくていいの
0
照らし出す おてんとさまは いつだって どんな僕でも 光をくれる
1
二人がけ ソファーにそっと 手を伸ばす この沈み方 君のなごりだ
2
むなしさが背中に覆い被さって動けずにいる西日射す部屋
7
かみさまが宝石箱を落としたの?空いちめんにきらめく紅葉
4
最初から境目無くて吹く風が描いていった秋の輪郭
1
旅先の朝に
谺
(
こだま
)
す選挙カーうるせー知らねーFINALFANT ASY
1
泪ひとつ零るるかたちの乳房には悲しみあらずほほ笑みてゐる
3
葉と風の歌を詠みにしさらさらと目覚めて消ゆる夢のことのは
1
アヲハタとアカハタ靡ける渾沌の中つ方にて狼煙上がりぬ
0
街灯の下でクラゲが泳いでる透明な夜の透明な僕
6
色づいた紅葉に乗って舞い降りた堕天使の名はショクヨクノアキ
1
湯船にて居眠りしつつ思うこと 君は今どこでなにしてるの
0
無意識にC'mon, baby アメリカと口ずさんではタリラリラリラ
0
抱きしめて欲しい自分に気づけない せめてそういう僕に気づいた
5
あなたとの 距離をちょっぴり 縮めたい 信号待ちで 小さな一歩
1
失敗や クヨクヨという 虫たちが 僕を成長 させてくれるの
2
相槌は 君の心の 戸を開き 言葉の魂を 開放させる
1
目覚むればふたたびの雨墨いろの闇を叩き継ぎ
朝
(
あした
)
を穿つ
1
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