冬眠  フォロー 10 フォロワー 9 投稿数 23

学生

良し悪しの軸は確かにそこにあり不誠実ゆえ良さばかり言う 

「これがぼく!?」にはならないさ 覗き出た変身願望そっとしずめる 

褐色の洒落た名前の黒糖のいつかの夏に食べた蒸しパン 

ついにガチャすら回せなくなるオタクもうキモさしか寄る方が無くて  

泡切れのボディータオルにもう一度押すか否かともう踵まで 

手元まで映らないから手遊びに分解される文房具たち 

キッチンにふたりでいるとネコは鳴く お前のメシはまだなんですが   

ボディペーパーの袋を押し込んで安っぽい夏が吹き上げてきた 

微熱あれば夏日なれども風涼し レースカーテンの波打ち際へ 

オンライン授業で家がおおやけに塗れわたくしは布団を固守す 

花粉にも多数少数派閥あり 杉の終わりが終わりではない 

飲酒後や寝不足の時 すべて から見出す美とは決別したい 

ローションを肌に叩きながら誓う 夜更かしやめる!間食やめる! 

丁寧な暮らしをするはずだったのに枕元にはコンテンツの山 

店員が本にカバーをかけるとき財布はすこし整頓される 

春物と呼ばれし服を慰めるために大きな鏡がほしい 

「いらっしゃいませ」も言わずに黙々と品出しをする 何が自粛だ 

フェミニンを拒絶する肩と足のカド ただの男に成ってしまった 

ひつようとうそぶくカゴを占める酒 RTDレディ・トゥ・ドリンクの光沢 

コルクからいつしか消えていた香り わたしにだって永遠は無い 

「警察を呼んでください」いつのまに布団の上で西陽に刺され 

汗腺のふつふつひらく痛みあり 片手でファスナー下げて漕ぎゆく 

「帰りの電車は嫌いだ」目を落とし わたしの像から逃げて打ち込む