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愛の主成分がやさしさであることを信じたかった 田園の焼け空
4
汲みたての水を求めて喚く猫 二月中旬 暦では春
6
コミュニケーションというよりコレクション
鍵アカ
(
わたし
)
のいいねは君に見えない
3
世の中は 無常と理不尽で 成り立っている それを受け入れて 生きていく無常
11
そうやって調子いいこといっちゃって もうあげてないよ「にゃー」あげないよ!
6
もう季語に入れていいよね 春告げの 面倒い行事 確定申告
13
冬ならば 夏の暑さも 恋しくて 夏近づく頃 その恋冷める
5
愛を説くバレンタインデーの日も通勤電車に一人揺られて
6
自販機に君が着ていくクラシカルカラー 緑茶飲む度思い出すだろう
4
「大丈夫」
何
(
なん
)
の根拠もない時に、ふと出る一言 最後の言い訳
10
前倒しバレンタインのいちご飴律儀な君はクッキー返す
12
Sベッド 前は並んで寝れたのに 今は頭を 互い違いに
12
捨てるのも手に入れるのも難しい保護費は安く物価は上がる
10
子 爆睡 なぜか浮く手を そっと持ち 布団の中に 優しく仕舞う
12
花札を してればおれの狙い札 から奪われて 揃わぬ五光
3
暖かな日差しの下で鼻をかむ回数が増え春はもうすぐ
5
弾けたら広がる海に飛び込んで 行ってみようか物語の先
4
誰にでも手放せぬものあるはずで 私の場合は薔薇の毛布
4
履歴書を目の前にして私たち 21年何していたの
6
「かぁかぁ」と鳴き真似すれば「カーカー」と烏の返す平和を愛す
9
毛づくろい パーのあんよがみえている ねこのほんのりピンクの指よ
9
コンサートランチタイムのピアニスト グレーのスカートペダルで揺らし
4
ひさかたの 雨の
惠
(
めぐ
)
みて
下萠
(
したも
)
えの 野も
狹
(
せ
)
に
芽
(
め
)
ぐむ春となりけり
5
みちのくに 春のいたりて
刈株
(
かりばね
)
に
蘖
(
ひこば
)
ゆ森の
綠
(
あを
)
の
小
(
ちひ
)
さし
6
I love you 闇夜に消えた チョコレート とろけていく 染み込んでいく
4
瞬きをするたび増える胸の棘 二重写しのままの世界で
4
心臓を 撃ち抜かれたよ 鮮血だ 君が抱えた その花束で
4
右腿
(
みぎもも
)
にスマホの重みの無い朝は何だか自由になった気がして
6
耳たぶと同じ色した花選ぶ どこから見ても完全なる恋
7
涸沢の雪に二つの命消ゆ アルピニストの仲間の慟哭
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