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黒板の放物線より緩やかなまつげの輪郭ばかりなぞって
4
大学の人気講義の教室は プールの後の国語みたいな
3
時効かな、ほんとは近道知ってたよ きみと少しでも長くいたくて
8
きみとふたりあの春に取り残されたいよ だって葉桜のよさわかんないし
3
便りになき 貴方を想い 三日月待つ 同じ夜に 居たいから
4
賜りしメロンの甘み同胞の揃いて食みし夏とおんなじ
20
夏バテか カリカリ食べず 気を揉むも 吾の手を皿に すればパクパク
21
買ってみたカラコンどうも合わなくて 宇宙人みたい 冥王星の
2
ふかふかのベッドの上でも泣いちゃうし地獄にはまだ行けそうにない
6
網棚に忘れし鞄見つかりて熱海駅まで吾も運ばれ
12
会いたいと願い続けた恋人のシャツに顔よせファンデが付いた
3
杖つけばなんとかなると思ってた人をよけるの命がけです/東京にて
33
ラブソングひとつひとつに君の顔 切ったり貼ったり、剥がしてみたり
5
300円 買った古着のジーパンを ハサミで切ってずたずたにしたい
1
傍らに 丘を探せる 亥の刻に 隣の犬は 何を探りて
8
テロ
出
(
いづ
)
る 夕焼け空の 向こうには 何を言わぬか 朝の虹在り
10
濃い甘み それをも
凌
(
しの
)
ぐ
芳
(
かんば
)
しさ 脳を
貫
(
つらぬ
)
く 完熟メロン
15
食べられた 私が纏った 苦い毒 孤独な愛は 君を汚すの
2
「死にたいな」「早く殺して」生きのびる 「生きたい頃に」賽は振られて
10
今朝は五時、昨日は十時その日ごと夫を翻弄ドジャースとうは
19
ひとつだけひとつだけだと繰り返しあなたは彼を全て盗んだ
3
美しい薄暮の空は延々と これもひとつの夏の風景
27
いつのまに好み変はりしネクタイの吾子のつまみし中トロ鉄火
13
ほろほろとこぼれるマカロンほろほろとこぼして食べる 不慣れな部屋で
11
詩を書いてタロットカードをめくりつつ自分のことはすでに知ってる
7
古本に残る記憶は生きていて 言葉以上に寄り添えたなら
20
背後より迫りぬバスを
顧
(
かえり
)
みつ 速度気に掛け走行すチャリ
24
人生の曲がり角すら知っている昔の駅の伝言板は
12
三ヶ月ペルーで過ごしたナカムラは東京ばな奈を土産に帰った
10
「口喧嘩したね」と笑い母を見る母も微笑む写真の奥で
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