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春一番 東北では言わないんだって 一年中 春のような君に教わる
13
椿匂ふ路上に吾は君思ふうつくしきかな
穹
(
そら
)
の青色
7
あのひとの両目を覆う手のひらがこんなに大きくなっていました
5
さよならを言えないようにくちづけをその唇に上書きさせて
9
花冷えというには花が足りなくて冬の中にて思い出す、ふゆ
9
あと一年学生のうちにできること 映画も旅行も全部やるぞ
5
五億年前海だったゆえにまだ音も匂いもしない教室
6
身の垢をすすぐ思ひや水清き川辺に咲きぬ菜の花の色
7
まえあしをいつも布団から出すきみがまんまるになる気温は五度
9
野良猫が声に振り向きじっくりと吾の顔見て立ち去りにけり
16
時間との 戦い疲れ 深呼吸 耳を澄ませば 心臓の音
15
昔話
(
おはなし
)
に タヌキやきつね 常連で 僧侶にお化け 竜も飛ぶ
9
女なら化け物くらい飼い慣らせ 何のためにリップを引くわけ?
6
スマホにて 子どもの頃に 親しんだ 「まんが日本昔話」
視聴
(
み
)
る
9
海原を背にしてそびゆロケットは潮もかないぬいざ宇宙へと
10
北海道いちごのサワーが飲みたいな ねこもくたびれ 母もくたびれ
11
この
都会
(
まち
)
に 溢れる愛を 夕立は ただ見ていたよ 見つめていたよ
6
初恋を 想えばそこに あった夏 心はいつも あの頃のまま
5
独り占め するには 広すぎた心 誰の胸にも 抱けない心
4
さき
匂
(
にほ
)
ふ やまの
山茶
(
つばき
)
にあぢさはふ
繍眼兒
(
めじろ
)
は
啜
(
すす
)
る
花蜜
(
はなのみつ
)
かな
5
カラーパープル 余韻残りし映画観る 自分に、痛みに、強し女は
13
明日からなんて話はおいといて 今日は私とビール飲もうよ
29
ここ白髪 あっ、ここにもと目を凝らす 老いの予兆に気を引き締めて
3
「絶版」の文字に寂しくなってすぐ「電子版」へのリンク ときめく
6
生きたいと誰かのために何かして 思い叶えた結局家族
6
イチゴ狩り予約は何時にランチどこ?能天気なる平和な悩み
9
節電の私の言葉に気を遣い 電気つけずに脳トレする母
9
無防備な欠伸の数だけ近くなり だんだん家族になれた気がして
5
四歳と春の赤ちゃん探した日 散歩の午後に降る光あり
9
ももの色したきみのやわらかな耳がぴくりと動いておおきな欠伸
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