大丈夫、辛くないよ 本当に。泣きながら言うことじゃないけど
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集合の 重なる部分 小さくて そこを大事に していたふたり
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呟いた じゃあもう行くね の質感も この街だけが知っていて
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いい歌ね いい歌なんて 言ったら 否定するよね でもいい歌よ
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なんでもいい なんでもいいが いちばん困る キミが作るなら なんでもいい
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久方の 煌らかならねど 朧に 空いたく澄み ふる星月夜
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野良猫は僕に寄り添い慰めて子猫の声で帰っていったね
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たまほこの みちに入りたる 暗闇に 君が与えし 月影ともす
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木犀花冷えた月光乗せて我が鼻腔を満たす最後の夜に
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夜中2時 無心に 折り紙で箱を組む そんなワタシも キライじゃないよ
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乗ってゆけ 向かふ先には 平安が 今かいまかと 春を待ちける
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飛ぶ鳥の 憂うは明日か 風に乗り いずこ行くかは 誰ぞ知りなむ
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旅先の山小屋で見たエプロンの柄は実家の母と同じだ
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雨上がり 光をまとふ ならのみち 落つるしずくに いにしえぞ
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あをによし ならの木陰に 雨宿り しばしとどまり 一息つかん
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子どもたち 泣いて光って遠くまで行け 誰の手も届かないほど
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足繁く通った店も今はなく会社帰りの独りコンビニ
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石橋ハヤネブに輝く御身の麗しき そこに嘗ての夏の日を見る
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何気なく腹肉掴みその厚さにたまげるやら憎らしいやら
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同僚にある美術展勧められグッズを買った必需品なり
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あす休み 私の中の 風呂キャンに 今日は負けます おやすみなさい
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お土産のクリアファイルは友人と出かけた記憶呼び覚ます糧
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薄暗く名もない山のいただきに登った朝陽が雲海てらす
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冷雨降り 夜寒深まり 風吹けり
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タヌ猫の オヤツをたべる姿パシャリ おさめて満足 さあストレッチ
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つれづれに 昔話に花が咲く 秋の夜は疾く 更けにけるかな
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青春があなたを私に刻んだの 私のすべての始まりの色
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数えれば七十五日でこの年が終わると知って少し驚く/早い!
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学校の先生役所の職員警官公務員腹立つわ
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ごめんねすずむしあなたのこえがきえてしまうまでぼくはおきていられない
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