消しゴムを拾ってくれた指先にほんとはもっと触れたいけれど
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出来るだけ公共交通機関など。田舎のバスは待ち人泣かせる
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未練断つつもりで髪切った一月 席替えで隣になる二月
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南北に一本だけの線路だし交通手段と言えるだろうか
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娘がさ いちいち可愛い ・・なのにさ、可愛がる暇 全然無くて
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そういえば合コンのアポ消し飛んだ もっと漢を磨かねェとな
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大好きな漫画がアニメになるらしい 太宰の文を思い出してた/夏に着る着物
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捨てきれぬ想い隠して放課後の君の机に置いたのど飴
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ばいばいと振ること覚えた手のひらが 我から離れ嬉しさみしい
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待っててね すぐに行くから 一区間 三百キロの のぞみを胸に
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休日の街はいちめん麦畑  キツネは星の王子さまおうじを忘れやしない
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止めようと すればするほど 溢れるから もうあきらめて そのままいよう 
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かぶり付きシャトーブリアン女房が食べた話を聞くだけの夜
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若い古希だから舞台に立ち続けまたラブシーン疲れはないと。
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おやすみの時間ですよと通知する画面上にも月は出ている
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早々と確定申告終わらせた私を誰か褒めてください
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それぞれが自分にできること探す コロナ入って家族は変わる
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真実を 求め彷徨さまよい 泣くほどの そんな大した 人生でもなし
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沈黙を伝えしテレビの被災地に 春の足音大きくなりたり
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オレのこと好きかと聞けば無言なり 頭ポンってやればビンタが
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年が過ぎ あちらに抱かれシアワセか 俺はあなたの何だったのさ。
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予報では槍だったので予定より早めに犬をしまう夕焼け
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後輩にもらった色紙読み上げて歩く高二の春の家路を
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一瞬の「好き」が積まれたゴミの山断捨離をするおもちゃスペース
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お別れの近づく校舎僕たちはずっとここから空を見ていた
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空高く相手を探すさえずりの 力強さは美しさなり
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檸檬の実 まあるく育ち 収穫す 色も香りも 春はすぐそこ
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虹の橋 渡りし愛犬ももちゃんに 今でも詫びたしあの時ごめんね
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水たまりみたいな今を 海みたく広げる 皆みながおよげる海に
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車にて検査を受けて泣く孫の 後ろでママの泣きそうな顔
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