飛び方を忘れ 枯れ枝に一枚ひとひら 厳寒に耐へをる 赤紅葉
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闇に撃ついかついボディ強き武器漢字 ブウォンと光る「ドム」に睨まれ (厳かで古風な歌への畏怖)
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朝の陽に蓮を咲かせる泥水の熱おび深く命そそげり
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夕暮れに お寝坊さんはうさぎ追う ネオンテトラと鶴の打ち掛け
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博愛のこころを棄てる。これからはレモンの輪切り、みたいに生きる。
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昼下がり 子の寝息だけ 満ちる部屋 世界は今日も 壊れずにいる
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いとけなき 手に雪のごと 飯こぼし 笑みて見上ぐる 春の昼かな
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枝切られいびつになるも空目ざす枯れ木の夢は風花かざはなのなか
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最前で胸に子を抱く若き男性ちち 車窓見せつつ楽しげ語る
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一光よ 病室に刺す朝の陽の プリズム色がドア染め抜ける
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ほろ苦き 大地に芽を出すフキノトウ 春の息吹きを噛みしめる宵 
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眠れない夜の底へと堕ちてゆく息苦しくて生き苦しくて
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ダメだって 風邪か感染るよ 絶対に いいのいいのと 横に寝るキミ
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今日もまた 当たり前のように ポストに届く  亡き夫宛 ダイレクトメール
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【あ】たまから 【め】が離せない 【て】んかいで 【つ】づきが気になる 【じ】しょは楽しい
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何となくまだまだ先と思ってた風に棚引く葦原に立つ
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醜きも愛しきわが身と抱きしめて午前二時の闇に火を灯す
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寒い部屋電気毛布の温もりに一人でくるまる冬の夜
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意気込んで買ってみたんだトマト缶一人暮らしには少々多い
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学年で 一位のはずなのに わからない 僕の気持ちも 君の気持ちも
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暗い部屋寂しく動く換気扇タバコの煙を吸って吐くだけ
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ミルクティー夜に飲んでも美味しいがお昼のほうがなんとなく良い
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強がってタバコをグッと吸ってみるこれで少しは近づけたかな
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した方がよかったことと言わなくてよかったことばかりが温度になる
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声ならぬ声が消えてしまうとき世界は何をなくしたのだろう
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「この世」というコンテンツが面白いのにログインできない僕の脳内
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単位より音数数える指先が留年のほうへ展開される
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積雪に埋れゆく僕の脊椎を息吹きかけて掘り起こさむと
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歯ぎしりという我が内なる氷河期よ零時に降り積む白き沈黙
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緩急の緩が生み出すドーパミン勘が煩くでも心地よく
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