無人島に持ってゆくならヘリだけど地獄につれてゆくなら君だ
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君の心についた古傷抉り その中で息絶えたい欲望
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伸び伸びと手入れされない梅の樹は 新芽を伸ばす空へ空へと
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読書灯、ゆっくり活字を追っていく、滑った、今日の日はさようなら
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下ろしたてデニムの硬さ心地良く下肢包み込むインディゴブルー
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今日会ったあの子が春を連れてきた「あたしほぼほぼ二年生!!」
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戻るなら半世紀前でもそれは未来の今が変わるだろうか
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集まってごはんを食べて帰宅する 50分にも満たない夢だ
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学生の ときに聴いてた 音楽を 聴いた瞬間 タイムスリップ
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父さんの遺品の日記覗いてごめん 達筆すぎて読めずに苦笑
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まだやれる。大丈夫だよ。泣かないよ。  そこで待ってて、笑っていてね
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手ずからの化粧水など賜りてオンナを上げての再開約す
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五つ目の質問答えて気づくお前バカそんなことさえ知らずにいたの
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春一番 東北では言わないんだって 一年中 春のような君に教わる 
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椿匂ふ路上に吾は君思ふうつくしきかなそらの青色
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あのひとの両目を覆う手のひらがこんなに大きくなっていました
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さよならを言えないようにくちづけをその唇に上書きさせて
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花冷えというには花が足りなくて冬の中にて思い出す、ふゆ
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あと一年学生のうちにできること 映画も旅行も全部やるぞ
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五億年前海だったゆえにまだ音も匂いもしない教室
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身の垢をすすぐ思ひや水清き川辺に咲きぬ菜の花の色
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まえあしをいつも布団から出すきみがまんまるになる気温は五度
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野良猫が声に振り向きじっくりと吾の顔見て立ち去りにけり
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時間との 戦い疲れ 深呼吸 耳を澄ませば 心臓の音
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昔話おはなしに タヌキやきつね 常連で 僧侶にお化け 竜も飛ぶ
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女なら化け物くらい飼い慣らせ 何のためにリップを引くわけ?
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スマホにて 子どもの頃に 親しんだ 「まんが日本昔話」視聴
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海原を背にしてそびゆロケットは潮もかないぬいざ宇宙へと
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北海道いちごのサワーが飲みたいな ねこもくたびれ 母もくたびれ
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この都会まちに 溢れる愛を 夕立は ただ見ていたよ 見つめていたよ
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