車窓から見えるススキの穂は白い 今年はじめて長袖を着る
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歌詠むとまた一日を生き直し 暮らしの彩り光を放つ
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薬局でそろそろ出番と言いたげにカイロの箱が佇んでいた
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朝空の薄墨色に架かる虹 道をまたいで屋根から屋根へ
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いつもならつと手を放すのに今日だけは別れ見越しておんぶをねだる
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時間薬効いて世界は穏やかで恐れてしまう次の波風
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気持ちだけ 濃いめに作った なめこ汁 ホッケにしば漬け 酒は要らぬか
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上司って存在自体人間を差別するハラスメントですよ
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君は会社不適合者ではあるが社会不適合者ではないぞ
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「雛ポーズやってみようか」カメラマンがキメの弱いグラドルに指示
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カッコよくコーヒー飲める大人にはこのままずっとなれそうにない
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少しずつ染まり始める木々の葉の淡色あわいろニュアンス味わう一瞬ひととき /紅葉は始まったばかり
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旭岳 紅葉終えて 積雪す 君のラインは 別世界の様
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欠けました 月に一夜の暗闇ダンス  だれも見てないあかりを消して
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つり革に掴まりスマホの画面見る電車の揺れに身を揺すられて
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雲流る切れ間に覗く星空よ 紺の深さは海溝のよう
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「お願いをするよりされる人であれ」 夜の隅から星を滑らせ
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シトラスのオレンジティーを喫してる不調の波を意識しながら
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ラジオから 手稲山には 初雪が 冬の札幌 想いし仕事
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夜に溶け寒空と共に歩き出す温かい家はまだまだ遠い
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残り火の尽きる日迫る歳生きる母の怖さは想像に難く
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銀杏ぎんなん柘榴ざくろ団栗どんぐり 散らばりし 中秋の路上 来る冬思う
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夜明け前 暗き水面みなもに 鳥数羽 水中に首入れ 朝餉かな
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来年の 大河ドラマの パレードに 年甲斐もなく 声を枯らして
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闇夜でも ムーンライトとふ 焼き菓子を かざして見せむ 中秋明月
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めでたくも 何でもないが 『生きている』 そんな理由で 赤飯を炊く
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ほろ酔いは 心地よきかな 締め付けし 帯の解けたる 思いこそする
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車窓は夜 紅白ならび 東西に テールライトと ヘッドライトと
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除雪車両今年の安全祈願祭あの猛暑日もまぼろしになる
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初雪が北海道で降りましたこちらはストーブ初の運転
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