冷水で顔を洗えば血圧が上がる感覚おぼえる寒波日
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古本屋短歌入門立ち読みす嗚呼めんどくせぇ吾は吾が道
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うにょにょにょにょうにょにょにょにょ~んって揺れている 君が必死で手を振る彼岸
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どこからが凪でどこから風なのか 僕は怒っているのだろうか
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通院の妻に付き添う待合を静かに包む時のにこごり
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あたた めて わんに移した おきりこみ 遺影の妻と 一緒に食べる
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わが恋はオアシス見せる蜃気楼空しく消えた後の乾きよ
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春告げる雛飾ひなかざれども近畿では 奈良お水取り済むまでは冬
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ウォーキング 途中で風雪強まって 気分はロッキー 家路を急ぐ
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母親に もっと働く ようにする 法律なんて 少子化加速
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この子らが 大人になれば 世界まで 大人になれば いいのだけれど
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いつの日か 何もできない ようになり 土から生まれ 土に還れば
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天才を 一人見つけた また一人 大人になれば ただの凡人
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トランプが またやってるよ あちこちで ディール大好き おかしな爺
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嫌なこと 誤魔化しながら 日々生きる やりたいことは できないもんな
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ただ一人 誰も見てない 畑にて 自転車ごろり 如月日記
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いいことが 続き過ぎたら 要注意 すてんころりん 気を付けなはれ
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おお眠い 張り切り過ぎて 午前中 金にならない 引っ越し作業
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くたびれた 植えちゃいけない 木を植えて 穴を掘っては 引っ越しさかい
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フクイチのデブリ回収めど立たず 原発回帰のおこがましさよ
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楽しんで cafeで寛げ 無理ゲーですよ 消えたき思ひ ピークのときは
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疲れ果て 身を横たえし お布団は この上のなき 我の天国
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幼き日 愛くるしさの 塊は 今や優しき 真の漢まことのおとこ
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脳を病む 辛き記憶は 残りけり 標準装備とうさいしたし 初期化機能
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悔しさも 怒りも忘れ 死にゆく心 今のありさま 終末期なり
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桜よりひと月早く咲く梅が 春の近づき教えてくれて
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生きる意味 語る相手が もてあそぶ この世に我は 立つ瀬無かりし
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現実せけんにて 冷たきひとに 晒された の心 短歌うたかたに解けゆく
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「もの思う」  「もの」とは人の外にある 抗いがたいさだめだと言う
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誘惑は 心の隙を 突いてくる 油断大敵 緩る甘な気持ち
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