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和歌百首 重荷に感ず 十七や 三十七にて 至宝に感ず
8
一年の あの日の朝も 晴れていた 何度も呼んだ
愛犬
(
あのこ
)
の名前
17
空き瓶も思い出したい過去がありジャムの色した夕日を詰める
18
木を下りて人への一歩を踏む猿が追いかけたかった流星がある
8
解散し 失職したのに 万歳す 奇なる風習 違和感ひとつ
16
爆ぜる音 重なりゆくは我が鼓動 君から逸らむ蒼き花火は
17
春はそこ鼻にティッシュを詰めたまま 電車に乗ってる若い娘が
22
晴れわたる空を飛びゆく黒いはね海辺の道の年初めの日
9
イヤホンを 付けずに歩く 街の音 聞きながら行くも 心地よきかな
17
風花と見紛ふばかりの白梅の 幽けきかほり鼻腔で捉へ
24
太陽に 照らされ光る 彼女なら 私の呪いも 効かないだろう
8
富士の山 今日のご機嫌 いかがかな 仰げる毎朝 清々し
10
リメイクと 感じさせない この料理 料理が数段 上手くなったかな
7
室外機凍ってしまい来ぬ
温風
(
かぜ
)
を吹き出し口の下で待つ猫/定位置なのですが⋯
23
双方の言い分甲乙付け難し大義はひとつとは限るまい
15
君に会う口実としておそろいのキーホルダーをまとめて買った
12
タンスの上 おおきい麩菓子が おちている あれ違ったわ 茶色のチビ猫
22
味噌汁の汁の旨味の疲れとれ落ち着きこころさといもあるか
15
「お先に」と誕生日過ぐを報せくる友よ間もなく吾も追いかける
29
王将の守りの駒が逃げ道を塞いで負ける それも人生
29
サイゼにて「ボンボンなんとかシール」とか言い合っている
老夫婦
(
ふたり
)
のランチ
21
さようなら手を振りその場過ぎ去ればぽつんと終わった速すぎだろう
21
人間と道具の狭間の彼方かな 地に足つかず宙ぶらりんりん
7
毎日は暮らしではなくただの作業 感じないまま機能するだけ
7
安全が汚染されない空間に連れていってよ大人なんでしょ
7
「歳上が 好きなの、だから」と笑うから 七年後また 会いに行きます
8
掌で包む伊予柑ずっしりと持ち重りして食べきれないほど
11
永遠の 命を知りて 眺めれば この世はほんの 瞬間のこと
6
愛すれば 荒んだ世にも 花が咲き 苦しみの後 報われる時
4
毎日が 飛ぶように去り 跡形も 残さず消える 命の雫
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