弱っちいわたしの心なおせぬが ダメなこととは思ってはなく
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許してね 帰省最終日ちょっとだけ機嫌悪いの 故郷ここにいたくて
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宵の刻 やかんに火をかけ湯気が立つ いいよね君は 身軽に翔べて
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倖せと背中合わせの仮初めと刻まれた傷道一本に
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ざくざくと白菜・人参・椎茸をスープにするよ冷える夜だよ
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俺の名はイッパイアッテナという猫と交差点にいる泣き終わるまで
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誰にでも腕を広げるあのひとは見送る側に慣れすぎている
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日本人ですら食べない それだけが魚としての私の誇り
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しあわせと美味しいはほぼ同義語でついつい落ちるカロリーの罠
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灯台が夜に亀裂を走らせて光る地上のポラリスとして
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便箋にひと文字目書く心地して踏み出す朝のいちめんの雪
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図書館の細胞を取り戻すよう返却本を手にして司書は
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ついばまれいびつに残る冬の柿みてそうだな寒風に揺れ
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消えかかるざらめ雪ざらめに残る穴ドットいずれか知らぬ獣足跡
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岸近く沼には二十二羽浮かぶ白鳥が居てまたひとつ来て
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お元気?と賀状にいつも同じ文字 元気ですかとこちらも同じ
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枯れかけの猫草まだまだ食べたくて 朝昼晩とひっくり返すねこ>床が砂だらけ
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えべっさん 分社は福男?部門分け 子供も女性も元気に走る
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フクロウや 窓辺の先のあなたには存ぜぬだろうが お互い様ね
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弱くてもいいから生きて その中に 君しか見えぬ花が咲くから
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わんぱくなままであること演じつつ家族よまたね。正月終了
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「お米炊く!」 子のお手伝い 涙でる 床にぶちまけ また涙でる
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空腹に 耐えかね冷蔵庫を開く あるもの全部で 気まぐれ野菜炒め
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子が好きと蜜柑の薄皮一つずつ せっせと剥いて食べさす冬の日
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ヒートテック後ろ前に履いてたと夫からLINE 仕事しなはれ
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連れてって みなみじゅうじへ もうここは 私が居るべき場所ではないから
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こども園 木琴の音が優しくて 耳をすませてメロディ拾う
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弁当に貼りしなぞなぞ「母より」と 朝あの人は腹痛だった
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真白きシマエナガかというような雪だるまあり運河のほとり
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今はもう母のほどこし出来ぬのに子が好むもの夢中で作る
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