泣き喚き「僕も死ぬんだ」銃抱くいつかの君が立ちし証言台
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原稿を手荒く掴むその指で彼に正しく触れられるのか
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まばらな白髪 約5センチ 生きてる証拠 でも黒く塗りつぶす
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どこまでもどこまでもと続く線路 晩夏の空に蟠る雲
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寝たきりでもう要らないがそのままに椅子に敷かれた防水シート
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処理をする横で見ていて終わったら待ってましたとなさる猫さん
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時代てふ神の見いだすこともなくしづみてゆくか水底に砂
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たんぽぽが 踏まれて轢かれて育つなら 僕ら今頃マングローブに
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雪やみて枯葉押しのけ顔を出す春を告げんとクロッカス見ゆ
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リポDの代わりに甘酒すすりたる お疲れの吾を ねこが様子見(おかあちゃん、だいじょぶ?)
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生きづらさ 持てぞ知りぬる 凡作の 平素な「生」の 有難みやら
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かろうじて 心紡ぐが 時間切れ 残機失ひ 彷徨さまやう如く
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待ち切れぬ信号の紅向う岸 君の背中はもう第三者
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掻き回す 柘榴の残り香 思いつつ 回し回せよ メリゴーランド
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初梅の 災刻まれ 折れけれど  近して遠かれ 花の都や
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女々しいな 放った君の 親指に 咲かせる小さな アイロニーの葉
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ちょっとくらい体調悪くとも 「ありがとう」は 笑顔つくり言う お姉さんの親切に
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極寒というほどでもなく 雀の子 いとにぎやかに鳴き交はすなり
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本当に悪い奴ほど簡単に ごめんねごめん 安売りをする
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こんなにも 地球は青く 丸いから 人の心も まあるくなぁれ
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「記録的」 「数年ぶりの」推敲し 「顕著」で決めた気象庁かな
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寒空に孫が届けし旅土産意外と美味く孫を褒めたり 
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わたしって悪い大人だ ごめんねと言いながらまた嘘を重ねる
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わたしって悪い大人だ別腹と言い訳をして頬張るパフェよ
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フォローとは言うがついてはいかないし支えもせずに眺めています
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三時間冷めないサーモマグvs. 五分で冷める課長のやる気
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重ね着をしても冷え込む 冬将軍 春を寄せては 退く二月
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Kindleキンドルを持つ手が重いそのわけは電子積読つんどくいつしか増えて
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ゆっくりと歩幅狭めて歩いてる 下校時刻の校門の前
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呆れたな進研ゼミとポケモンを 並べて同時にやっていやがる
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