弱くあれ強い言葉に惹かれるな損得なんか捨てちゃってさ
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俺もやる 既読スルーに 電話無視 そういう文化 そういう返事
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こんなにもしにたいのにさ、きみはまた知らない人と通話している
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炎昼の日陰の中の一輪のハイビスカスのくれない冴える
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妄想でも 三十一の 音の中で  夢が見れる そんな頃々
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来る来ない 乙女おとめの如く 花びらを  千切ちぎりて来たのは 雨だった
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足元に転がる死体知っていてかれを抱きしめるエゴ/自己嫌悪
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一目惚れ 一緒に住むなど 夢の夢  今同じ家 同じ部屋に
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はじめてのママの出張息子言うイヤださみしいパパが行ってよ
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花唇かしん鳴く うなじに灯る火恋し 過ぎ来し方見ゆ 芙蓉のまなじり
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おお恐い 老いた妻には 角がある 鬼の形相 怒りの言葉
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父が死に母も死にたり敬老の日は何もすることが無く寝る
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秋花火 涼し夜風に舞い上がる 夏と違って少しさみしい
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ほくほくと上手に炊けた栗かぼちゃ 褒めてと供ふ故郷ふるさとの秋 /道産かぼちゃ
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我だけで 最後まで逝く背中だけ 見ててくれぬか ふべんもののふ
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絶対にそこに私の影はなし「次の百年」広告の文字
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闇を吐け 歠まれてならぬ吐き出して 誰も不幸にしてはならない
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バスの中エスカレーター信号待ち五七五を詠める充実
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俺はもう おまえの中にいなくって 俺のなかだけ蝕んでいる 消えてくれ。
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こんなにも歩み続けた嘆息が西日眩しくまた家路往く
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凡作の駄作の先にいい歌があると信じて歩いていくさ
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雨後の朝草取りすればさみどりの精霊蝗虫ショウリョウバッタの飛びだしてくる
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云わないが 明日はおまえの誕生日 命日だから積み立てるだけ
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石投げず波紋の見える素晴らしさ婚姻挙げる君の命日
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相変わらず貴方は変わっちゃいないのね はっきり言わない奥手なところ
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平安の猫は女性に愛されし「にゃうにゃう似合う似合う」鳴いては頬を赤らめ
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茄子トマト オクラで彩る 夏カレー 限定メニューが 終わりし秋の日
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家にある 季節外れのラムネ瓶 秋風吹かれ 飲むも良きかな
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打ち合わせ 終わりし窓に 茜空 トンボが舞いし 秋の始まり
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街角の 南天の葉も色づいて さらりとそよぐ 秋が嬉しい!
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