散歩道やしろに聳える大楠に手を添え話す遠地の友を
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親がいない 3日目の夜は 押し入れに 基地を作って ラジオをつける
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空中に ふわりと浮かび 揺れもせで 時とどめたる コスモスの花
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気のせいか震えるように歩くアリ 今から備える冬支度かな
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秋深し 駅のホームにまで届く そばのコンビニから 匂ふおでん
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「楽しい」を義務と知識で中和して 何を邪魔することなく穏やかでありたい
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「どうしたい?」自分自身に問いかけて 応えていけば今日も楽しい
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父逝きて 早一年が 経つ秋も 我繁忙と 機会合わざり
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猫舌の 我には厳し 温珈琲 冷やしが終わる 自販機見据え
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盛秋や 自販機の茶 ホットなり 冬の近づき 少し感ずる
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健診を終えて食したラーメンで腹を痛めて身の老いを知る
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美味そうな食べ物の短歌うたよみながら食むコンビニの塩むすびかな
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たっぷりの粥に揚げパン肉団子贅沢逸品食べ応えあり
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剪定の ハサミ持つ父 手伝ひて 背中で語る 秋の陽の下
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日和良く ラグ変えエアコン 掃除する 年末避ける 小掃除かな 
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パンケーキ囲んでママのお茶タイム背中の赤子暫し眠れよ
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床に臥す今際の父の腕指は 虚空に触れず元に戻りぬ
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旅先で家族の「好き」を探しおり 我が家の愛はそこにあるかも
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童謡も ファンタジーだと すまされぬ 人里で会う 森のくまさん
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爪を切り 切った爪を 紙包み かけらが落ちれば 死にたくなる
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大怪我だ腹は痛いし血は出るし女に生まれるもんじゃないよな
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ただいまと ねこに頬ずりしたくって 麻酔明けにて も少し我慢/まだ頭ボー
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長旅を労う気持ちと嬉しさで今年も来たる白鳥目で追い
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合唱の全国大会富山へと 孫が連れゆく 母のふるさと
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ことは 変わっていくのが 風情ふぜいなり  流行はやすたりは 専売特許せんばいとっきょ
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薄明の空オレンジ色を背景にV字飛行のシルエットたち/白鳥
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立ち上がれ 雨に降られど 逆境も 超えた先には きっと青空
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エアサイクル 古ーいヤツを掘り起こし 漕いでみるけど効果は如何に(効いてる気がしない)
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雨曝し 寒空の下 一人行く イヤホンそっと 孤独を消して
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すやすやと眠る顔見てふと思う嘘をつくのは嫌いだからか
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