鯉泳ぎ 鯛釣り草に 金魚草 卯月に咲きて 皐月へ流る
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ぬくむ風 時と心は 比例せず 歩む季節と 引きずる無念
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来し方を想いさらさらい寝られずブルーの切子グラスは濡れり
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分からない伝わらないのと涙する の子の雨が止みますように
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四月でもアイスがこんなにおいしいと思う日来ると思わなかった
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通勤はしっかり歩き汗かいてはやも 暑熱順化 着々
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扇風機四月半ばに出番とは思わなかったろ俺もそうだよ
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群肝むらぎもの こころうやかし薫る見世みせ  あるこそまさなし あるこそまさなし
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キミが呼ぶ私の名前を聞きたくて スマホを眺めてキミを待つ駅
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人生を 変えたいとおもう その時に 君の手をひける 僕でありたい。
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新緑の薫る そよ風 浴びながら 躑躅つつじ咲く 通勤路を遊歩
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言葉は皆んな借り物だから君のあだ名を創りたかった
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母さんが彷徨い出てる間中何が体を操縦してる?
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我が町の桜ついに蕾成り様子見の人すでに溢れる
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半年間音沙汰なかったきみをいま惰性スワイプで流した気がする
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それぞれの真実を抱え生きていく 誰も彼女を殺していない
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品性が慰めにしかならなくて まあ魂の在処など誰も
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あのひとはきっと地獄にいるだろう メトロノームがだんだん狂う
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アン・シャーリー 今日も見るぞと 初回だけ うっかりしてて コナンを見てた
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「執行猶予零年異議なし」「なし」口揃へ謳ふ――死刑
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ハリウツド・キネマ・パラダイス。亜麻色の髪の靑少年ゆ離れきて
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緩慢なる自殺と思ふ現実の高架橋より鐡塔に 吊る
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汝 速やかに死ね――勅命下る白き菊花を手套にはらふ
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ひさびさに出社して遭う先輩の口がピクリとゆがむ一瞬
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店内で怒声が響くときにだけ形成されるゆるい連帯
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もらうって口にしたとき胸に棲む傲慢くんがちょっと縮んだ
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公園で散歩している黒柴をオオカミいるよ2才児興奮
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復讐をねがえば痛みを復習し遺品整理に巻きこまないで
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ねぼけ・ねこ なぜか ぱいぱい吸いにきた ふまれ🐾吸われても すまぬが出ぬよ
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木漏れ日と さえずりと 風吹く音と 受け容れられていると感じる
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