人類の誓いは繰り返さぬと慰霊碑除幕反省糧に
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雪國の友を気遣ふ声のこるグループLINEに足跡つける
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立役者強敵撃破以上あっ20得点以上守りも
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勢いはあるかなり変だが二人ヒロシマ知らぬ広島育ち
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丹沢の春立つ里にも雪ふわり紅梅震え耐えて夢見る
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恫喝と取引ディールをつかふ大統領 世界は王を求めているや
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『ゆふすげ』で詠まれたわらべ国背負ふ父母の「令和」をおもふ祭日
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寂聴版源氏の話読み終えば姫君方に会えぬ寂しさ
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蔵出しの辛口旨し三千盛フェスタの庭のおでんに行列
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部下たちは東大京大一橋 上司の我はほんの駅弁
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恋すれば人は人らしく恋せずば翡翠ひすいの杯の底無しのごと
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山間の 日差しを浴びる福寿草 一足早く春の便り告ぐ 
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まあ、そうね、考えてみて。あの人があの日おまえを許したわけを
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日替りのOS漁りに使ひたるUSBも呆れをるらむ
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こっそりと隠れるように盗み見るまだまっ暗い四時半の空
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今日の夢の続きを見れるのならば幾らだって惜しくないのに
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おれだけ苦しいの間違ってるから 換気扇の下で咳をする
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あの夏の記憶凍らせ眺めをりもし溶けたらばきみは消えぬべし
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学研の電気図鑑に喜ぶよ速やかに我に買い与えよ君
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ゲームでも読書でも芋を焼くんでも何でもできて何もできない
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何もかも投げ出したいなと思ってる一体これから何度思うのか
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金メッキはげてもあいしてくれますか 真鍮のままのわたしもですか
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寝るまでの時間をずっと言い聞かせ自分に言い聞かせてまた眠る
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あの時に家出できずに律儀なる吾にいまさら馬鹿と言いたい
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娘にも子の権限がある物だ縛る我が母飛び立つ我が
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潮騒が私を見てる涙すら声すら出さず波に引く砂
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太陽のような笑み、君は春生まれだったね あたたかな君だものね
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大人って 子供と比べ 面影が 十年じゅうねん振りも 割と変わらず
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君の前で少しかっこつけたかったからまずFコードを練習した
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横書きの国に暮らせば言葉とは野をどこまでも駆けてゆく馬
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