「洗い物面倒だから明日にしよう」それはやめとけGが出て来る
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窓ぎわに四月の若き春がきて隣の庭にふきのとうも来る
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燕の巣どうやらここと決めたらし そこはやめとけピザ屋の軒だ
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雨の中切られず残る三本のさくらんぼ花ぱぱっと咲いた
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今年の巣どこに架けよかうろちょろと オスの燕の優柔不断
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手に顔に 浮かび上がるは いくつもの シミと後悔 タイムカプセル
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するといい仕事は残っているけれど 一日分はもう働いた
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竹林は地面の中でつながって 多くの様で 大きな一人
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ヒトにまで 進化した身の我々は 滅んだ奴を思いやれるか?
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の為に 栄養与へ 黄に染まる 健気けなげな姿 ながむ竹林
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夕陽浴び心に灯る花こぶし花びら卍 春のめでたさ
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春だね、と幾度も言ってブーツ脱ぎスニーカー履きちょっとパン屋へ
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雨の中満開桜風吹けばおいでおいでと俺を呼んでる
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日影の説明受ける けれどなお釈然とせず 条例の陥穽あな
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喧騒と 湿る心と 聲の群れ 吹き抜ける風 羨ましいなと
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遠くから 君眺むるに 火照る頬 片道の恋 戻れぬ儘に
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チョコレートスプレーについて考える 夏の日五歳だった頃の記憶
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ハタハタと はためくまくら ねこまくら 手洗いされて風に当てらる
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好きだよと言えばよかった目の前でガトーショコラが掠め取られる
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透明感のある声ですねええわりと鳥とか虫とかぶつかってきます
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通勤路 れた道を 歩み行けば 八重桜見頃の 日曜日
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ベランダの洗濯物や満艦飾 春風煽る生活の色
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悪役の非情な台詞に酔いしれる赤いマントを膝掛けにして
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高らかに謳われるきみの人生の最終章はぼくだけのもの
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台所にふたり立つ 寂しがり猫も来る 一畳に一家揃いし幸噛み締め
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吾のお気に 手のひらサイズのハンカチを 「なんかハンカチみたいなやつ?」とキミ
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なんでしゅか?に 「フゴ」というのが おへんじよ ねこのおへんじ いろいろなのよ
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クライナー ストロングゼロ シーシャバー あたしを学生(笑)たらしめるもの。
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とろみ剤どんなもんかと低脂肪牛乳に入れ飲めば美味なり
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悪いのは ぜんぶ僕だと 謝って この話まで 終わらせる俺
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