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黒揚羽は垣根の周りをホバリングする真夏日の日盛りの中
7
日向水の影ゆらゆらと遊ぶ杉の板壁涼し金魚鉢洗う
3
棒付きのアイスを咥え汗みずくで歩く大きなカバン抱えて
6
呼び出され金曜夜のカフェで待つまわりの席は悪魔の夜会
7
日常の ふとした場面で 幾度も 好きになるのは 地続きの君
6
二度止めて助け求めしスタッフの視線を背中に セルフレジ三度
17
三十度もはや涼しい人間の適応力が試されている
19
防虫のスプレー手肌塗り込んでゆくぞ暑熱の庭の藪中
17
冷水で作れるカップヌードルの開発者へは情熱を抱く
16
雨上がり 木の枝を這うカタツムリ 銀糸ひとすじ光らせながら
21
四年前死んだ親父と二年前潰れたツルハで落ち合った夢
16
落ち切ってそのまま五年 砂時計のガラスは君の指紋を抱けり
26
優しさでしっかり付けた歯が取れて母なる医師に申し訳ない
15
なみだ壺 通りすがりの はずなのに 鞄の隙間に 引き受けたなら
7
酷暑でも 時間なければ 昼食は いつも通りの 蕎麦をかきこむ
19
咲く前の桜のままで止めおいて
宝石
(
いし
)
は涙でだけ
指輪
(
わ
)
に点る
3
いにしえの監獄跡につれられてぐずる子「はやくおうちかえろう」
6
高々とザリガニの爪 児らの声天に弾けて 夏景色
16
まだ泳ぎたい子供らの荷を畳み 入道雲に急かされて 雨
17
ケリケリと 委ねた腕に 爪たてて どうして行って しまうのかしら
18
イケアてふ避暑地にお連れした妻のすこぶるご機嫌よろしゅうおわし
24
整へし前髪 駆け昇る階段 向かひ風浴び 手櫛で直しつ
25
そうめんを冷水で締め折り並べ竹輪の磯辺揚げたてランチ
21
ひさびさのお一人時間 何をする ただただ ただただ ゲームに溶ける
4
青田より
炎
(
ほむら
)
の如く立ち昇る 陽に炙られし泥のため息
13
サックスの 練習重ねる
夫
(
つま
)
の汗 汗の数だけ きっと上達
11
地区予選 始まるものなら 甲子園 優勝校の 監督然り
5
お爺ちゃん今日も
A
V
見てたでしょ鰻あげない精が付くから
8
チビ猫は 「ろいず」のおはこも すきなのよ ほどよくあたたか
かんしょく
(
感触
)
もよし
20
朝起きてラッキーカラー今日は何アサガオに聞き同じ色着る
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