クラクションやたらめったら押す輩「ここにいるよ!」と叫ぶ思春期
7
乳歯抜け 前歯にガーゼ 当てた君 時を戻して ハグしたかった
8
足跡が 今日も昨日も残らない 何処を歩いて どこへ往くのか?
14
4号線ヘッドライトはLED連なる車はみな夜行性
6
自信でも気付かぬうちに その心 とうに壊れて 見る影もなし
7
耳からは水が滴り減る重さ口から黒い甘い強かな
3
汚された心に何度も色重ね 見た目は綺麗 だけど中身は……
6
手じゃなくて心で繋がりたいのよと恋を飛ばして愛を願う
8
ミスを見て我に過ち気づかせる見えぬ魂そばにおわすや
11
手に入らないならなんで光ったのって言いたくもなるまばゆい瞳
11
風に百日紅ひゃくじつこう薄桃うすももの 淡い花色はないろ 暑さなごませ
22
猛暑日も今日で終わると耐える吾の心へし折るエレベーター点検 /9階まで階段…
29
ふにゃふにゃでとろけていても山積みの食器を洗う酔っ払いなり
14
会社にて首から提げる身分証 帰属という名の枷となりけり
15
我が影でバルタン星人模してみる 疲れ果て去る蝉の王なり(秋の夕暮れ③)
18
夕焼けを背に受け歩む帰り道頬撫でる風いくらか涼し
12
影法師 我が背丈より伸びにけり ひょろひょろとして頼りなきやつ(秋の夕暮れ②)
18
影法師 八頭身に伸びにけり 実像なればさぞやモテらむ(秋の夕暮れ①)
21
夕陽眩し 残像カシオペアに見ゆる やっと言えたよ 「梨たべよ」って
18
嫌われてもひどい名前でも白く可憐な花の屁糞葛ヘクソカヅラ
26
日が沈み隠れた秋が姿見せ 深まる夜とそよぐ稲の
14
緊急の メール処理する 茶屋の席 煎茶飲みつつ 沸き立つ雲海
25
秋だから メールじゃなくて手紙書く インクの文字が恋しい季節
28
外食の 予定も妻の 頭痛にて 今夜の夕食 オールブラウン
9
リビングで 妻と話して いる時に 子どもの気配 猫の鳴き真似
6
音もなく ひたすら続く 稲光 天変地異かと 家族で検索
11
8メートル、右の壁に掛かる時計。君の横顔、見つめる口実。
6
秋高し 休憩に同僚と 缶コーヒー片手に 世間話
19
あまつさへ また逢はむとぞ思うなど ふみのかへりも覚束ぬものを
6
熱気球 貴女と乗れたら 独り占め 景色と空気 貴女の笑顔
16