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この街のどこが好きかと尋ねられ涙を堪え海と答えた
19
田舎道 訪ねし庭は 音楽会 栗やどんぐり 踏む音楽し
35
波の音 朝陽の赤と コラボして 心地よき日は 時も止まって
24
俺を見て豊田真奈美を思い出すというおっさんとノリで握手
14
偏差値の低い大学をあいつが蹴ったので俺補欠合格
13
一般の人たちが嫌がることの大抵は俺大丈夫だよ
20
雨上がり 東の空に 虹浮かび 曇った心も 晴れ晴れしそう
27
夕食後のコーヒーに添え半額のどら焼き
夫
(
つま
)
と半分こする
34
秋深し 冬支度する 今日もまた 寒かったからね 鍋にするかな
18
鍵かけて一人でトイレ突然の二歳の自立ママの目滲む
17
怪獣が来たら呼ぶんよアンパンマン息子の中の最強ヒーロー
8
ママきらいあっちにいってもういやだ三歳前の君の口癖
16
「おむすび」と「おにぎり」とを比べれば うまそに聞こゆ「おむすび」の方が
26
二歳児の髪の毛乱す秋の風飛んでっちゃうよぼくの髪の毛
10
おむすびを焼き海苔でまくそのときに かほり立つ香に目もくらみつつ
22
辛いこと お酒で見えなく させてやる 見えないだけで 醒めればそこに
7
好きな娘は誰なの好きなタイプなに知りたいことは募るばかり
9
厚い雲去りて広がる夕茜 ひととき胸の奥が温もる
30
見ているよ 顔を洗って 髭を剃る あなたを映すと 割れそうになる
4
漏れ聞こゆ中学男子の恋バナに笑みを
堪
(
こら
)
える夕散歩かな
31
朝マックホットコーヒー追加して優雅に過ごす平日の朝
11
唇の 上のカモメが 触れ合えば
戯
(
じゃ
)
れ合うような 赤面の
番
(
つがい
)
5
秋の陽の 背を暖める縁側の 虫の音は止みて 独り栗食む
26
生足で生まれたままの白肌でさりさりささやく星の塵箱
7
情けなくみじめで粗末なみすぼらしい、この恋心、名前はまだない
11
「⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎」電波越しの声雨多く 手首の傷は夜空の影へ
6
手
(
オペ
)
術は無事に終わりましたまた得意のスポーツチャンバラできますよ
13
雨後の路 橙色を
鏤
(
ちりば
)
めし 金木犀の儚き香り
31
ちょっとづつ卓上コンロで海苔を焼き 肴に呑むを今日から始め(これなら低カロリー、しかも香ばしい)
17
覗き込み「何読んでるの?教えてよ」君の笑顔が口を塞いだ
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