とんとんとん 日向ぼっこの ねこの背を 邪魔せぬように やさしく撫でる
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今どこに墓石へ向かい問えばだだ山茶花ひとつ花びら落とす
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会える距離 そのままに日々 過ごしおり 連絡先だけ 消さずに暮らす
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出窓の猫 微動だにせず なに想う いつも変わらぬ 風景眺め
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冬の街 手を振りながら 小走りで 追いつく母を 笑顔で待つ君(息子)
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誕生日 知らせる花屋のリマインダ 消せないままに また二月が来る
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我が青は 君の青とは 違えども 同じ物見て 「青い」と答える
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さっきから 着信あるのは わかってる いま出られない ニュースを見てくれ
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愛という 文字を大きく 書きすぎて ふたりの名前が 書けなくなった
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頬つたう 泪をはらう しぐさこそ 君のこころの 在り処なるらむ
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フルートを吹いてるきみの大好きな北海道の「美笛びふえ」の地名
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ミニスカで同僚女史の登場に 目のやり場にも困る冬の日
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冬の午後 君(猫ちゃん)がうたた寝 その横で 僕も静かに 眠気が誘う
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大寒の雪の晴れ間に運動せんと七十八歳しちじふはちの吾が雪ベラ握る
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文書けど紙ひこうきを押せぬまま 小田和正の歌の意味知る
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別れ際 時も言葉も足らなくて 気持ちを土産に人はハグする
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「年一度 天の川でのデートねぇ」金平糖を噛み砕く君
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神さへもこの手にかける 宵闇で君が見つむる神話と成らん
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満点の空で笑顔の一番星 火点し頃 あの子も孤独に灯る
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生きるって<その時>までのルーティンと詠めば目にふと梅のほころぶ
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消すまえのラジオから押し出された尾崎紀世彦より歌は下手だがいくぞカラオケ
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だってそれ人がいつからか夢と名をつけた視界を塞いでる霧じゃない
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屋根雪庇支える下の辛夷の木広がる枝に蕾ふさふさ/ふさふさ?
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七分も貴方の話に割けぬわと 早湯でパスタを手に取って居る午後
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コンタクトレンズ外せど目つぶれど 貴方浮かぶのは網膜のせいか
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「これは推し、こっちも推しです素敵でしょ」 「概念すぎて流石に分からん」
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概念を飾って散りばめ あちこちに 潜んでる推し謎解きみたいに
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概念を見掛ける度に買ってしまう 「好きなんですか?」「はいまあそうです……」
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推しグッズ配置で悩んで小一時間 何かと並びが気になるさがゆえ
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値上がりで ゆらしゆらして 3杯目 紅茶のパック 破れんばかりに
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