雪残る峰を横ざま流れ行く雲間に遊ぶ鳥であったら
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除湿に切り替えてみたらば 喉痛し 悩ましエアコン でもじきに初夏
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チビ猫の おきにいりなる ぷら・すとろー カシャカシャゆって かるいのがいい
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はっきりと断られたら切れが良い水に浸していればふやける
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ねちっこい目で見てくるが恋ヶ窪の恋はそういう意味じゃないです
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魅惑的が読めたら大人 映画にも一人で行ける 意味は知らない
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その歌人詠む歌不快にわざとする消えたか再び報復するか
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『メタリック』性的少数者マイノリティの慟哭は泣いた赤鬼泣いた青鬼
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何であれ価格下がればそれでいい選挙向けての売りだとしても
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九十の 叔母の御髪おぐしは 黒々と 白髪しらがの姪の 名前を呼べり
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切り分けた果実のようなこの夜をさらに大きくしよう二人で
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初めての重なつた日は記念日で兄はクラブで弟英語
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陽だまりは 階段室の 踊り場に そこにかぐや姫 いるかのような
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窓を開け 湿気吸い込む 雨上がり ダメ元で干す 風に託して
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雨に濡れ一つ二つと落ちる花 庭はもうすぐピンクの絨毯じゅうたん
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見上げれば あの日あの時よみがえる 息子の記念樹 八重桜満開
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この雨は 涙 隠すに 丁度ちょうど良し 頬 打つ雫 くき春雨
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霧雨を浴びて歩けば地のたまに吸ひ付く音の響く地底へ
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探してて目の前にあるそのコップ見えない理由思い込みかな
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わたしが買ったどの本もわたしより百年以上先まで生きる
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六歳の 我が成長を 見守りて 鳴らなくなりぬ 豆椅子の笛
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雨の匂い ペトリコールの匂いらし 「石のエッセンス」とAI教え(私も好きです)
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雨の日の都会の空気何となく清しい匂い私は好きだ
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見て見てと大口開けて肉食べるそんな貴女あなたと嬉しひと時
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一輪の花であっても堂々と自分を誇る姿気高し
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何故よりも何があったと問う方が残すことなく振り返られる
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海になる花韮の花一面の間引けば哀し風のささめく
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寝汗かく 春眠どころか真夏日に 老いたる身体悲鳴を上げる 
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電気釜に炊き置きされし飯もへり妻の「帰る」とのメールうれしや
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ものわすれ どこか響きのやさしくて こころの霧へ はじめの一歩
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