春雷のごうと響きて雨激し黒黒き夜に花は散るかや
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脱ぎ捨てたニット、空き箱、レジ袋 何度も猫かと二度見するもの
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重い口開き 本音を 語るを 終始黙って 傾聴けいちょうす母
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人よりも少しトンネル長いだけ 山を越えれば春 広がるよ
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帰り道 花びら乗せた野良猫になぐさめられて 3マス進む
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知らぬ間に 明かりがも灯り いつの間に カーテンが外され 4回建ての通勤列車
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庭園は湧き出す蝶の洪水で月のひかりがほの暗く揺る
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葉が好きな私 花を愛する母 私も好きになって良かったんだ
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見つめれば、様子のおかしい緑の眼 またあう日までねころんだ芝生
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歴戦のいつものアレもゾンビマシン 裏切られるのかこの私が
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うんざりね、名刺交換「今日この後どうする予定?」「退屈醒」
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母が私をぶん殴る躾ける前触れと同じ 窓を閉めつつ死に近づく
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やっぱり外見 少し大きいカラコンで変わる視界と態度
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心とは糸であったかふっつりときれてしまったあなたへの愛
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「あら着やすい」昨年贈りしトップスを 部屋着にする母 それは(いちおう)ブティックの‥😅>まぁいいか(笑)
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あるじゃない!映画原作小説を買おうとしてた持ってたんだな
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いるじゃない!レッドリストの生き物を見るような目で駆ける子供を見る
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飛び乗ってから気付く ここは女性専用車両 いたたまれない早よ駅着け
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狭い柵つつじぎっしり咲き揃い 女性専用車両の薫りにむせる
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歳積みて難し事の一つあり も一度ワンコ子犬迎へし覚悟
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履き替えたばかりは分かる違和感を持ちつづけたしタイヤ交換
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ナゲットをディップしながら渋滞中十五個だつていけさうな道
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よりそつてゐてくれたのか夕間暮れけふはカラスの声もやさしく
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すぐ横で いびきをかいて 眠るきみ どうかこのまま 愛しき平和
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生姜糖 血行促進効果有り ぽかぽか温もる健康おやつ
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桜散り街路の木々は早や緑雨の匂いを深く吸い込む
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人待ちの カフェでひと息 非日常 雨上がりゆえ 木の立ち込め
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母の来訪約束もの忘れ 二十八時間ほど経過して 虚しさひしひし襲い来る
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私は地に足ついた恋愛をする あのプリンセスに手を振った
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閑静な始発のエスカレーターは 有無を言わさず私を運ぶ
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