逃避行うしろは見るなひとときもこの一瞬を穿ち輝け
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きらきらと窓辺で白いひげ光り ねこは目を細め春を待ってる
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沸いた湯で紅茶を飲めばため息と少し寂しさ蒸気にのぼる
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さいごまで飼い慣らしてくれ道化師の操り糸の先にいさせて
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行間を 感じるのだと 言う君に もどかしいよと 言えず俯く
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ぴったり、と 感じたアレは 勘違い 同じ景色は 表と裏で
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気にしても仕方がないこと知りつつも あんよが上手な子供を目で追う
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目が合うとニッコリ笑うキミが好き 一歳のキミ天使の微笑み
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長崎3区調整自民不戦敗政治とカネの逆風予想
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鍋の具を考えながらうたた寝を 今日の主役はザク切りキャベツ
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晴男なら警備員あいにくの大雨は雨女を惚れて
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遅咲きの 寒椿揺らす 春風は 誰の味方や 草木のかたきや
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写経する右手の筆ペン少し揺れ 深く息吸い背筋を伸ばして
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炊き立てのキノコごはんの香ばしさ 大根おろしにじゃこ添えて
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階段を選んで登る  お金くらい役に立ちそう筋肉貯金
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レシピ眺む 春らし いちごの桜餅 よくよく見たら 離乳食だった(笑)
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まだ若き紫木蓮しもくれんの華奢な枝 大き蕾を抱き風に耐え
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ねこたちは げんきげんきで プロレスを きっくだぱんちだ はしりまわるよ
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なんでだろ ため息出そうな ダルい朝 カフェオレの湯気で誤魔化してみる
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傍目から 見える家族の笑い声 受けて荷を出す我作業員
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ディアマム 十八以来 受けし愛 ひと目会いたさ こころ度米す
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「産み増える」ことの最適化のせいでいまこの場所で絶叫をする
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「貴方の風邪は何処から?」と問われれば症状さておき「私は子から」
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進みゆく 桜の季節 待ってろと 冷たい風も 乗り越えようぞ 
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星の下 生まれついたが 百年目 骨の髄まで いじけています
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さようなら言いまつがいの日々よ まだ「どうしたまして」と母は言いたい
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悲しみも 苦しさだって 心持ち 次第というな 幸せ者は
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家欲しい 妻がこの頃 呟けば 心の中で 悔しい涙
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格差など 気にはしねえよ 貧乏が 当たり前だよ 今までずっと
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哀れだね 株が高値と 騒いでる こっちはお先 真っ暗だもの
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