富士の嶺にかかる浮雲かくせしを払わざらなむわれならなくに
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山頂を雲で隠して山たちは幽玄ぶって佇んでいる
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年ごとに冬越すごとに少しづつ壊れ続ける近くの空家
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徳用の柿ピーむさぼるその音で、寝ていたデグーがふと目を覚ます。
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猫さんがくれというので食っているカニカマを出すこれじゃないらし
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冬ごもり春日を待たずにけるを惜しと云はぬが華の枯人かれびと
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雨音でお酒が進む休みの日。それはちょっとだけ寂しいお酒。
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さくら花儚き色の風が舞う幾年いくとせ過ぎて覚悟のせつな
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小糠雨 車窓より見ゆる 遠くに聳ゑそびえ立つ 煙突の白き息
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その手すり まだ要らぬと 言いし夫 いまや一番の サポーターとなり
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五年間歩いた道だ 笑ってる記憶の方が多い 良かった
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早春の 寒気なお残る 榛名路を 身を引き締めて 杉間ゆくなり
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春淡し 伊香保石段 のぼりつつ 湯けむり越しに 思い出埋まる
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「ママはどこ?ねえパパ!」「百合が綺麗だろ今年は肥料が良かったんだよ」
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吸わないで買っては欲しいたばこかな防衛費まで虫が良すぎる/増税計5回で
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根を張った大樹ばかりじゃ森できぬ あたしみたいの割と大事よ
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地植えして声をかけてはいるけれど 曇る天から桜あめ
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愛用のぬいぐるみくわえ我探し 見つけてほっぽり 我へと一直線 /愛すべき我が猫
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くもり空 ねこたち今朝も おべっどさん ふたりなかよく きゅっとひっつき
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楽しげな嘘が溢れてそのなかで各自が愛を削がれていくよ
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古寺の門をくぐれば背伸びすと四方よもを眺めるみつまたの花
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妻はなぜ今年も飾る首がもげた雛人形を微笑みながら
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雨冷うれいては籠って癒す欠く薬どんより縛られ行けぬ病院
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ひとつない何かを消したアイコンを僕のうとうとスマホをいじり
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娘っ子 貼り替えていた 春障子  あれから数年 二人ばかり
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グラスの中でずっと眠っていた星をいともたやすくきみが光らす
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ため池の堤防で詠む春の歌「鳥はさえずりたんぽぽ笑う」
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もうすでに心の中はお上手に顕れてますくれないのきみ
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二人して久しぶりだね カラオケのマイク握れば 隅っこに春
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花時雨はなしぐれ 桜花爛漫 手を貸しつ 我のこころも潤していく
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