Utakata
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花が落ち 土の中で実が生まれるように 潜んでいたいの旬がくるまで
10
缶コーヒー飲み干して 仰ぎぬ天は
清
(
さや
)
かなる
旻
(
そら
)
枝葉
(
しよう
)
揺蕩
(
たゆた
)
ふ
26
進めない引き返せない狭き道自分駄目だと知りゆくばかり
17
開発で 街は変われど ひっそりと 都会に佇む 短歌会館
29
中天に上弦の月 寒い夜 半欠けの身であなたを想う
24
鍵すれる右ポケットの穴を見て妻に代わりてかがり縫いせし / 久しぶりの裁縫💦
21
utakataに集う人らの金木犀 次々に咲き香りのつづく
35
初露
(
はつつゆ
)
で跳ねる羽音とさえずりが寝起きの街に朝を教える
10
植物の死骸踏みつけ獣道 無邪気に歩む子の後につく
8
鮮やかな キャベツ育った 畑より 夕陽の赤に 電車照らされ
29
都会での 静かなカフェで 昼下がり 貴女と話し もう夕方で
27
氷よりヒヤリとしそう飲んだなら朝の淵からこぼれた月を
13
ハロウィンの夜は雨降りと予報あり吾には全く関係なき事
7
美しきもの優しきひとは今ひどく黄昏れ寂しがっている
12
チビ猫は ゆうやけ・みたい ニャンコなの まどべで
たいき
(
待機
)
「そろそろかにゃー」
22
久々に風邪で寝込んだ一昼夜 ありがたいのはつつがなき日々(と、あらためて実感)
22
神々の出雲会議は明日終わり 冬将軍が仕事を始める
30
分度器を縦にしたよな月が出て 半分だけは闇夜を照らす
26
四十年 先の私は 見えないが 光もあると 信じてみたい
27
偶然に 信号待ちで ふれあって 交わす挨拶 「良い一日を」
19
九十年 重ねてもなお 溌剌と 自立素晴らし 理想の姿
15
肥満など気にせず食べたし秋のめし さふもいかんか行く末思へば
23
栗ご飯二杯でやめよと思ひきや 塩昆布そえ三杯目食ふ
25
純文と
HIP
HOP
のミソジニー趣の後で倫理性へ
GO
4
宇宙から地球を映す人がいた俺の宇宙に無断侵入
7
指先で鍵盤ひとつ押したとき下手な音でも胸弾み
12
総理だけフィーバーすれば繰り返す二〇〇五年の解散選挙
7
ウィンウィンと頭上飛ぶのは カメ吉で蠅とは違う潰す気はせず
17
弦を弾き硬くなってく指先に 上手になったと 心躍らす
14
さくらんぼ畑がみんな無くなってススキ、セイタカアワダつ野原/見渡せば
15
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