花が落ち 土の中で実が生まれるように 潜んでいたいの旬がくるまで
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缶コーヒー飲み干して 仰ぎぬ天は さやかなるそら 枝葉しよう揺蕩たゆた
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進めない引き返せない狭き道自分駄目だと知りゆくばかり
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開発で 街は変われど ひっそりと 都会に佇む 短歌会館
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中天に上弦の月 寒い夜 半欠けの身であなたを想う
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鍵すれる右ポケットの穴を見て妻に代わりてかがり縫いせし / 久しぶりの裁縫💦
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utakataに集う人らの金木犀 次々に咲き香りのつづく
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初露はつつゆで跳ねる羽音とさえずりが寝起きの街に朝を教える
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植物の死骸踏みつけ獣道 無邪気に歩む子の後につく
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鮮やかな キャベツ育った 畑より 夕陽の赤に 電車照らされ
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都会での 静かなカフェで 昼下がり 貴女と話し もう夕方で
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氷よりヒヤリとしそう飲んだなら朝の淵からこぼれた月を
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ハロウィンの夜は雨降りと予報あり吾には全く関係なき事
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美しきもの優しきひとは今ひどく黄昏れ寂しがっている
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チビ猫は ゆうやけ・みたい ニャンコなの まどべでたいき待機 「そろそろかにゃー」
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久々に風邪で寝込んだ一昼夜 ありがたいのはつつがなき日々(と、あらためて実感)
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神々の出雲会議は明日終わり 冬将軍が仕事を始める
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分度器を縦にしたよな月が出て 半分だけは闇夜を照らす
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四十年 先の私は 見えないが 光もあると 信じてみたい
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偶然に 信号待ちで ふれあって 交わす挨拶 「良い一日を」
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九十年 重ねてもなお 溌剌と 自立素晴らし 理想の姿
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肥満など気にせず食べたし秋のめし さふもいかんか行く末思へば
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栗ご飯二杯でやめよと思ひきや 塩昆布そえ三杯目食ふ
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純文とHIPHOPのミソジニー趣の後で倫理性へGO
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宇宙から地球を映す人がいた俺の宇宙に無断侵入
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指先で鍵盤ひとつ押したとき下手な音でも胸弾み
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総理だけフィーバーすれば繰り返す二〇〇五年の解散選挙
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ウィンウィンと頭上飛ぶのは カメ吉で蠅とは違う潰す気はせず
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弦を弾き硬くなってく指先に 上手になったと 心躍らす
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さくらんぼ畑がみんな無くなってススキ、セイタカアワダつ野原/見渡せば
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