葉桜の季節 酷暑の足音よ 農家さんにも また厳しき夏
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ねこたちが かしこい・こうどう行動 するたびに すかさずほめる ほめて育てる
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もう鍵を外したふたりが向き合って夕日を浴びる自転車置き場
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アウトオブバウンズなりし崖下の白きボールは骸の如く
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人間はもっと複雑だから 人間は言語化するのやめたらいいのに
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知らない知ろうとしない ただそれが心地いい都
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俺様の予言通りにホームラン!予言じゃなくて期待しただけ
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小手毬こでまりの 白き小さな 花びらに 蜜蜂止まる 晴天のもと
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「猫になる!」意気込む君の横にいる もうなってくれてるよと思う
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釣り上げし魚とともに帰る夫 マスのムニエル特大級の
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畦道の水田に映るハルジオン風に吹かれてリズムをきざむ
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半分にしてくださいねカリウムと糖気にしつつ買っちゃうバナナ
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そんなもの朝の光の中で見て悪辣だなと顧みている
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横たわり 弓の生音く その叔父の 姿に遠き 父が重なり
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気がつけばあたりは若葉の頃となり桜を探し過ぎにし日々へ
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みどり萌え長き病と決別しメロンを食し君は旅立つ
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吸い過ぎた息を少しだけ返そう泥濘む肺に花が咲くよう
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二日ぶりに妻とむきあふ食卓で雑穀飯を噛みしむるなり
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軒並みの 花々は 彩りをなす 庭を飾る アクセサリーなり
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理由なく作動不良のエクセルに 脳は疲弊し悪夢見させる
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涼しさの なかの朝焼け すまし顔 マントル対流 あつき夢みし
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買えぬ地図乗れない列車置き去られ野をただ歩き突堤に立つ/悪夢
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シャクナゲの 開きし寒き春の朝 ひとり佇み花びら眺むる 
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追っかける花吹雪きに舞う三歳を爺も天空滑り台うえ
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たった2秒 人中をかぐきみを見て心に満ちた潮という潮
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水みたい今のぼくらは溶けあってなんかこのまま消えるんだろう
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ドーナツはぽっかり傷を持っていて無視をしながらまわりを食べる
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じゅうしまつピーコと名付け可愛がる餌は何かとググるパソコン
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うち履きを家に忘れて学校へ一日外履き冷や冷やとする
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夜花火とはいえコンビニ売りパックそれでも家族の思いは弾け
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