見たことのないお煎餅福岡のお土産らしい初めて知った
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小一の娘と自転車旅に出る ピンクのヘルメットの勇ましさ
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クレームもモラハラも乗り越え夜がやっと来た夢路をさへに人はとがめじ
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何一つ動かしたくないそんな日はあなたのことだけ頭を回す
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紙切れに 本音をしたためて そっと 絡繰からくり箱に 隠し入るる
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いつのまに一枚になりし表札の二世帯住宅夕陽に照りて
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朝早くお散歩に出たまりちゃんは忘れられては戸窓を巡る
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寒冷でGが棲めない八戸は 子供はみんなGを知らない(本当の話)
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夜更かしで自傷。朝日は呪いだと。電車も花も睨む僕の顔。
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表現もいろいろだなとバナナとか両手いっぱいそりゃスッキリだ
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ぽつぽつりあるじ亡くした庭に咲く項垂うなだれ淋し枝垂しだれ桜よ
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山の端にかかる垂れ雲手を広げ並ぶ桜を掴み取るかと
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全員の無事の帰宅をみとどけて隣家の友とむかう二次会
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まっちゃんちと呼ばれた駄菓子屋だつたらし亡き叔母の名をふいに聞く夜
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花がさくむかしばなしに溶け込んだアタリの多い祖母の駄菓子屋
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オバQの原風景かガラス割られ子どもを叱るカミナリ親父
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町内の飲み会あればおのこらの共感をよぶ夜間頻尿
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無理矢理に強壮剤を飲まされたような青空眼球めだまが痛い
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きみからの日課の「死にたい」報告に指先が担う脊髄反射
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窓のそと初蝶来はアゲハ姫 病身見舞い木洩れ日に舞う
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悲しみを 乗り超えて得る フリー切符 道行く未知の あなたの地図の
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猫鳴きて 春本番を 思い知る それにつけても 早期復興
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ダンプから 舞い上がりし 花吹雪 それにつけても 早期復興
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即興で 歌の詠むのに 慣れもせず それにつけても 早期復興
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モンブラン 季節外れも 嬉しきかな それにつけても 早期復興
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山菜で 食卓飾る 春の宵 それにつけても 早期復興
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春眠の 微睡む時や 幸福に それにつけても 早期復興
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フトンでも 春の暖かさ 感じけり それにつけても 早期復興
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認知予防 目的持ちてここに来て 知らぬ言の葉 ここにて教わる
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短歌詠む趣味まだ誰にも言ったことないけど君になら言いたいな
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